トムプロジェクト

2020/01/23
【第1300回】

明後日から始まる「沖縄世うちなーゆ」の稽古場での最終稽古を観てきました。沖縄の芝居は過去にもたくさん上演されてきましたが、今回の作品は新しい沖縄劇の誕生を予感させてくれるんではないかと...先ずは、沖縄の混乱の歴史の中で強大なアメリカと戦った不屈の男が居たこと。そして、沖縄の女性史の中で沖縄独立論を唱え続けた逞しい女達。この芝居で、人としての尊厳を失わず誇り高く生きていった人たちの群像劇が、明日の沖縄の道標になるに違いないと強く感じました。いつまでたっても変わらないことは、あの大戦で日本の楯となり住民の4人のうちの1人が亡くなった後も、沖縄には、多くの米軍基地があり、特に、米軍だけが使っている基地(米軍専用施設)は、日本にあるもののうち、その面積の約70%が沖縄に集中しているということ。なんですかこれは?この異常な状況でも他県の人たちは見て見ぬふりしています。見て見ぬふり?これほど卑劣で無責任なことはないと思います。日本に復帰して48年も経ているのに何ら変わらないというこの事実に、さして驚かないのも不思議な気がしてなりません。他人の痛みを感じない人たちが存在する国の未来はないと断言できます。今回の芝居が、今の沖縄の現状を少しでも変えてくれるきっかけになればと思います。

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明日を夢見て

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