トムプロジェクト

2020/08/24
【第1378回】

コロナの影響で長年愛された老舗の居酒屋が、次々と閉店に追いやられています...新宿区役所前にある「蔵元居酒屋 清龍 歌舞伎町店」も8月21日に幕を閉じました。いや、ここにはたくさんの想い出が詰まっています。おいら貧乏演劇青年にとっては夢のような居酒屋でした。埼玉に蔵元がある升酒の日本酒が当時¥100(8月21日閉店時は¥190)こんなに安い、しかも旨い日本酒はありませんでした。料理も大体¥300前後、ここでちょいと飲み喰いし、そのあとは朝までゴールデン街で痛飲してました。演劇群走狗と状況劇場の両劇団が遭遇した時には、ちょっとしたことから喧嘩になり状況劇場の唐十郎さんが表に出ろ!ってことになり、おいらが仲裁に入り何とか収まった想い出があります。その後、唐さんと一緒に仕事することがあり当時の話をすると笑い飛ばしていました。最近も親しい友人たちとこの店を利用し楽しい時間を過ごすことが出来ました。安くて旨い、これこそが大衆居酒屋の原点だと思います。高くて旨いは当たり前。この「清瀧」には場所柄、おかまさん、詐欺師風の男、やくざ衆、アーチスト、風俗関係などなどが飾ることもなく本音の会話が飛び交っていました。気取ったりすると白い目で見られる雰囲気が充満しとりました。おいらも随分と人間観察させていただきましたな...池袋のお店は健在なので何とか一安心。この流れでいくと新宿ゴールデン街も、今ここにある危機状態ではなかろうか?ハイテクで人の触れ合いが疎遠になり、今回のコロナで3蜜が推奨され、コミュニケーションロスの弊害も出てきています。この先、この世界、そして日本はどこを目指し、どこに行くんだろう...残り少ない人生、しっかりと見させていただきますばい。

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井の頭公園での家族花火大会

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