トムプロジェクト

2020/08/17
【第1375回】

8月15日、終戦から75年が経ちました。この75年前、僕は母のお腹の中に居ました。

場所は満洲と北朝鮮の境界線。8月9日にソ連が日ソ不可侵条約を破って、シベリアの収容所にいた兵隊を繰り出し日本人の住居になだれ込んできました。7カ月の逃避行を得て博多に帰還し、おいらは生を受けました。お腹にいた記憶は母から聞いた悲惨なものでした。多くの知人が殺戮、略奪に合い、おいらが生きているのは奇跡に近いと思っています。亡き母は何度も何度も語っていました。「戦争は勝っても、負けても悲劇...戦争だけは絶対にやっちゃいけない!」なのにいまだ止まない戦火、そしてきな臭い様相。この状況では、一人一人が強い平和に対する感謝と思いを武器に立ち向かうしかありません。そして、忘れてならないのは、先の大戦において被害者であると同時に加害者であったということです。どんな理由であっても、他国を侵略し統治するなんてことはあってはなりません。それが悲劇の始まりであったということは歴史が教えてくれてるはずです。

今日から、「百枚めの写真」の稽古が始まります。トム・プロジェクトとしては「Sing a Song」4月3日の最後の公演以来、久々の公演に向けてのスタートです。この芝居は、どこにでも居るささやかな庶民の平和を願う気持が溢れんばかりの芝居です。コロナに負けず9月の四国公演が無事終えることを願うばかりです。

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いつまでもこの平和を!

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