トムプロジェクト

2021/03/19
【第1459回】

「たぬきと狸とタヌキ」昨日、越前市いまだて芸術館で無事終えることが出来ました。昨年9月の再開以来4本すべて何事もなく公演することが出来ました。何度も言いますけど、キャスト、スタッフの並々ならぬ努力のたまものだと思います。旅先でも美味しい酒と食べ物を口にしながらその日の芝居の出来なんぞを話しながら寛ぎたいところをぐっと耐え忍んで芝居に集中した結果だと思います。演劇の楽しみの一つに、見知らぬ土地の人たちと触れ合い交流を深めることにあります。大都会ではなく地方の小さな町でキラキラした眼で芝居を楽しんでくれる人たちにどれだけ勇気づけられたことでしょう...東京のお客様の厳しい目に晒されて落ち込んだ役者が、地方の温かい声援で立ち直った話もよく耳にします。地方のお客様の芝居をとことん楽しもうとするおおらかな受け止めが、神経戦で疲れ切った役者の心身を程よくほぐしてくれたんでしょうね。芝居は都会だけの見世物ではございません。全国各地を駆け巡り時間かけての旅芝居こそ芝居の醍醐味でございます。

多和田葉子『ヒナギクのお茶の場合』読了。ドイツ在住の作家だが、なんとも不思議な文体を持った作家である。主人公が哺乳瓶の乳首になったり、平凡な日常がまるで宙を舞い特有な世界に誘ってくれる感覚はハマる人にはたまらんだろうなと思います。知の冒険はコロナ疲れの心身にとてもよろしい旅でもございます。

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おいらも、もうすぐ...

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