2024/04/24
【第1884回】
やれ桜だ、それに便乗しての酒宴。なにかと春のこの時期は喧噪の日々である。そんななか、今日みたいにしとしとと雨降る日が訪れると心和いでしまいます。そんな日は、家に閉じこもり好きな曲を流し読書三昧なんてのがピッタリでございます。
トルド・グフタフセン、ノルウェー生まれのピアニストで、瞬時に落ち着きと満足感をもたらす効果があります。沈黙から北欧の風景を連想させる音の連続は、何もありそうもない別の空間に連れて行かれそうな時間を生み出し、読書の程よい味付けをしてくれます。
日本にもファンが多いピアニスト、キース・ジャレットにも通じるものがあるのだが、やはり生まれ育った北欧の音色を強烈に感じます。彼のタッチ、鋭い旋律センス、そして彼の惜しみない美学は、ともにプレーしている仲間にもしっかりと共有されており、ベースとドラムの刻む時間が彼の世界を一段とスケールアップさせています。
それにしても最近はアマゾン、スポティファイなんかで良質な音楽を聞いちゃうと、ついついCDを買おうかなんて良からぬ欲望が頭をもたげます。もうこの歳になると断捨離を考えなきゃいけないのに困ったもんでございます。モノを増やすな!出来るだけ捨てろ!と常日頃こんなお題目を唱えながらも、やはり手元のジャケットからCDを取り出し音を呼び込む儀式があってこそのマイソングだと頑なな心情が邪魔しちゃいます...でも、やはりほどほどにしないと後始末が大変ですから。
明日から猛暑の始まりとか、どんな未来が待ち受けていることやら全く予測不能でございます。
どこに巣を作ろうかな?