2023/05/19
【第1754回】
まだ5月というのに夏の暑さのなか、昨日、両国シアターカイで「風を打つ」の初日を無事迎えることが出来ました。両国前では大相撲5月場所が開催されており海外観光客も含めて多くの人出で盛り上がっていました。大銀杏を結った力士が国技館に入る度に大きな拍手が送られ、力士も「よしゃ!」という感じで大きな体をゆさゆさと揺らしながらの背を見送っておりました。両国には多くの相撲部屋もあり、なんだかタイムスリップした感覚にとらわれ心地よい場所でもあります。劇場シアターカイの隣には、第4代将軍家綱よって建てられた回向院があり、浮世絵士の山東京伝、義太夫節を創った竹本義太夫、そして鼠小僧次郎吉の墓と、江戸時代は著名人の墓がいくつもあります。この近くには忠臣蔵で知られる吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)の江戸上屋敷跡もあります。この辺りを散策していると江戸庶民文化の匂いがなんとなく漂って、近くの蕎麦屋に入り軽く日本酒を一杯という気にさせてくれますね。
ところで初日の芝居。満席の観客の前で上々の芝居を魅せてくれました。5人の役者のコンビネーションが抜群、カーテンコールの拍手が半端じゃないくらいの熱いものでした。この困難な時代、素敵な芝居を創ることの大切さを今改めて感じた次第です。
国技館前