2023/12/08
【第1832回】
福間健二著「迷路と青空」読了。先月、健二さんの遺作の映画「きのう生まれたわけじゃない」を観て来たばかりだが、この本を読んで改めて74年間の人生、まさしく既成の概念に疑いを持ちながら自ら迷路の中に踏み込み、日々移りゆく青空の下を突き抜けていったんだなと思いました。迷路をさ迷いながら自問自答し、未知へのドアをノックし、一気になおかつ簡潔に今生きていることを肯定したい...そういうことを願っているが、なかなかそうなってくれない。その一瞬一瞬、詩を綴りながら映画を創りながら自己確認する。健二さんは詩についてこんなことを述べている。
詩は生きている。私は以前からそう言ってきたが、最近思うのは、生きることそのものが詩であるというように生きるにはどうしたらいいかだ。自分のためだけに生きている人生では、そうなってくれないだろう。
健二さんが人と関わり自然と対峙しながら、生きることと表現すること追求できるのも、この世の人でない存在も含めて感謝の気持ちを忘れずにやってきたことがうかがい知れる。
それに反して、又もや政治と金の問題が浮上し、これまでと同様時間が経てば忘れてしまうだろうなんて問答が繰り返されている。政治屋が長年はびこっているのに、未だ変化の兆しすら見えないこの国の現状に楔を打ち込めない惨状にただただ呆れるばかりだ。
こんな時は、青空とまだまだ楽しませてくれる紅葉を眺めながら、千々に乱れる怒りと諦めを諫めるしかありませんな...
幻想の世界