トムプロジェクト

2026/04/08
【第2165回】

NTTが発行していた紙の電話帳「タウンページ」の発行が3月末で終了となりました。

感慨深いものがありますね。トム・プロジェクト立ち上げに際し大活躍したのが「タウンページ」でした。池袋のミニシアターで1994年に立ち上げた、岩松了作・演出による片桐はいり一人芝居「ベンチャーズの夜」を全国展開しようということになり電話作戦を敢行。演劇をやりそうなところを探すには全国のタウンページが必要不可欠ということで、当時新宿に構えていた事務所の一番近いNTTに出かけ、日本全国都道府県の冊子を借りる交渉に成功、チャリンコで10往復して事務所に運んだ記憶が懐かしい。チャリンコの前かごに溢れんばかりの冊子を何とかふらつきながら運んできました。演劇団体、公立の会館、演劇サークル、放送局などなど徹底的に調べ上げ3人で電話をかけまくり、興味があるところに資料を送り続けました。よしゃ!やったるでの気持ちさえあれば苦にならないどころかメラメラと燃えてくるもんです。おいらは昔から、人と同じことしていても面白くないという性癖を持っているのと、昔読んだ米沢藩主・上杉鷹山の歌「なせばなるなさねば成らぬ何事も」を妙に気に入っていて、即行動に移せば吉が出ることも十分予測できました。

資料つくりも狭い事務所で男3人、封筒に入れるペーパーを折り曲げるのにビール瓶を使いながらの細かい手作業。作業終わった後、近くの町中華での餃子とビールの味も忘れることのない思い出です。

おいらの勘ピューターはズバリ的中、最初の芝居は全国200ステージ近く上演し、夢を吐き続ける基盤を作ることになりました。本当にありがとうございました、そしてお疲れさまでした「タウンページ」様。

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ひっそりと咲いてます

2026/04/06
【第2164回】

ウクライナ東部ドネツク州の港湾都市マリウポリにあった「ドラマ劇場」が2022年3月のロシア侵攻により破壊されて4年が経ちます。その跡地に昨年12月にロシア当局がそっくりな形の劇場を建てたというニュースが流れました。その知らせを聞いたドラマ劇場の劇団員たちは皆そろって恐怖を感じ「建てるべきは鎮魂碑、彼らは殺された人々の歴史を消え去ろうとしている」と怒りをあらわにした。

生き残った劇団員は、「ドネツク州立マリウポリ・アカデミー・ドラマ劇場」という名で、マリウポリから直線距離1150㌔離れたクライナ西部の街ウジホロドで活動している。

避難後2024年3月には、当時劇場内で避難生活をした5人の俳優の証言に基づいた戯曲「マリウポリドラマ」をキーウで上演。その後、英国、ドイツ、イタリアでも巡演。稽古中には、俳優たちがリハーサルで自分の極限の経験をそのまま演じることに耐えられず、泣き叫ぶシーンはカットせざるをえなかった。

同じ演劇人として、この困難な状況下の中でも芝居を通して戦争の不条理に対し屈することなく闘ってる姿に頭が下がる思いだ。ロシアと言えば文学、演劇、バレエ、絵画などなど芸術の一等国としての歴史を持つ国として一目置かれた国であったはずだ。独裁者を選んだ国のその後はこれまでの歴史が証明しているのに、そしてアメリカ然り...力のある者が他者から奪う世界になっていいのか、正しいことをしている人たちが報われる時代が一刻も早く来て欲しいものだが...微力ながら、芝居屋は演劇を通して矛盾を正していくしかない。

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井の頭線高井戸駅

2026/04/03
【第2163回】

奇才のマンガ家・つげ義春さんが3月3日に88歳で亡くなった。若い頃に貪るように読みまくった「ねじ式」「「紅い花」「ゲンセンカン主人」「李さん一家」などなど、おそらく日本初のシュルレアリズム的マンガであった。つげ作品が選ぶ場所は、どこも裏通りか場末といったような小さな町や村の外れである。そこには得体の知れない人物が必ず登場し世にも不思議な物語が展開される。そして日本の土俗的な深層に読者を引きずり込んでいく超現実的な絵のスタイルがこれまた強烈、読み終わった後数日間脳裏から離れることがない。

温泉場のシーンがしばしば登場するのだが、観光地とか名だたる温泉はまず登場しない。ひなびた温泉、あるいは鉱泉宿とか、廃れた温泉ばかりだ。おいらが若い頃に頻繁に通っていた北温泉も登場する。那須温泉の奥深くにある北温泉の開湯は古く170年前、中でも元禄奈良時代の宝亀年間(770年頃)に大天狗が発見したと伝わる「天狗温泉」は幽玄の世界。

薄暗い浴室はそれだけでも鄙びた雰囲気ではあるが、壁に掲げられた天狗の面が何かを語りかけてくる不思議な世界観を醸し出している。もっと言えば畏れすらを感じさせる。室内外に子宝祈願の絵馬が数多く奉納されているのを見ていると、まさしくつげ義春の世界に踏み入れた感覚に陥ってしまう。この湯は混浴で、いつだったかおいらがひとり桃源郷の思いに酔いしれた時、湯けむりのなか女性と思しき姿がこちらに向かってきて天狗の面の下にゆるりと湯の中に...ジロジロと見たわけではないが50前後艶っぽい容姿、思わず、つげ義春の世界に迷い込んだ瞬間でもあった。

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善福寺川緑地公園

2026/04/01
【第2162回】

折角サクラが咲いたのに昨日、今日と雨模様、でも何とか踏ん張り頑張っていますね。

そんななか米国、日本で野球が開幕しました。これから10月まで試合結果に一喜一憂しなければと思うとなんだかしんどい気もします。ドジャースの圧倒的な強さに比べ、我がライオンズ開幕から2連敗。今年も下位争いの仲間入りかなと思いきや2連勝、昨日の試合なんぞは新人の3選手が大活躍し少しは希望が見えたかな?それにしても平日、しかも雨の中埼玉所沢の球場には満員のファンで埋まっていました。ありがたいことですね...そんな環境の中でプレーできる選手はほんまに幸せ者です。

一方、海のかなたでは日本人選手の活躍が早速伝えられています。村上、岡本選手のホームランもビックリ!おいらはそんなに簡単に打てるとは思ってはいなかったんですが、今どきの若者のメンタルの強さに感心しきり。開き直りの精神と、我が道を行く姿勢がうまくかみ合い結果を出していると思います。ライオンズから渡った今井投手は苦い経験をしましたが次回は必ずリベンジしてくれるでしょう。それにしても、日本のプロ野球はなんだかアメリカに渡るための予行演習ですかね...メジャーとの契約金の額を知らされるたびに、皆双六のあがりはここだと思っている節がありますね。確かに、いつどうなるかわからない不安定な環境の中、稼ぐときに稼ぎたいという気持ちはわかります。

ところで神経衰弱のトランプ、いいかげんに戦争やめんかい!こんな男に振り回されているこの世界、ほんとにやばいです。

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満開