トムプロジェクト

2022/09/16
【第1663回】

おいらは万年筆大好きな人の一人だ。長年愛用していたモンブランの万年筆、インク漏れが始まったので、いつものように新宿伊勢丹のモンブラン専門店に修理依頼を相談に行ったところ、最低¥13500~¥36500の修理費がかかるとのこと、しかも修理に出すと、修理しなくとも¥6500がかかるってんだからなんとも腑に落ちない感じがいたしました。早速、ネットで調べたら文京区に川窪万年筆店が見つかり早速出かけることにしました。下町風情にある民家に店を構えた古いお店でした。最初は失礼ながら大丈夫かいな?と思ったのだが、万年筆を差し出すとさすがに三代続く万年筆職人。「15分あれば直せます!」ここでおいらもホンマかいな?とまたまた不安になったんですが、言葉通りに完璧に修理してくれました。しかもお値段が¥4950なんですからありがたやありがたやでございます。そりゃそうだ、昭和元年に初代・川窪長七(現三代目:川窪克実の祖父)が早稲田界隈の小さな店で、主として学生・大学教授様向けに万年筆を製造して販売。その後小石川林町(現店舗の文京区・千石)に移転し、同じ町内の菊池寛、宇野千代、川端康成、E.サイデンステッカーの愛用品の修理・調整を手掛け、二代目:川窪一夫(パイロット大型蒔絵万年筆の開発に携わる)、そして三代目:川窪克実と確かな万年筆全般に関する技術の継承が行われ、現在に至る名店だったわけである。

大都会東京には、これに類する職人芸を伝える名店が、今尚存続してるのがとても嬉しい。

一昨日、東京亀戸文化センター・カメリアホールで公演した風間杜夫ひとり芝居「帰ってきたカラオケマン」いやいや大変な盛り上がりで充実した一日でした。演者と観客が一体になることによって、至福の時間を持ちえることを改めて実感した次第でございます。

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愛をささやいてるのかな?

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