トムプロジェクト

2022/09/14
【第1662回】

生きていくなかで、誰しも何度か拘りについて自問自答したことがあるかと思います。先日、早稲田にあるジャズ喫茶「ジャズナッティ」に行ってきました。早稲田大学のすぐ近くにある2008年にオープンした店です。先ずは玄関先に「ミュージシャンの魂を聴きとれ!」という看板に、おいら緊張してしまいました。その看板に一礼して店内に入るとお客は誰も居ませんでした。いやいや、襟を正して、背筋をシャキッと伸ばしてジャズミュージシャンのほとばしる魂の叫びに耳を傾けないと店主に怒られないかとヒヤヒヤもんでした。しかし、注文取りに来た店主は穏やかな紳士でここはひとまず安心。店内に入った時はCDが流れていたんですが、おいらの佇まいで判断したのかどうかも分からんのだが、早速レコードを取り出しアートファーマーの名盤「ポートレイト・オブ・アート・ファーマー」に針を落としてくれました。おいら特別にアートファーマーに思い入れはないんですが、やはりジャズ喫茶に来たならばレコードを聴きたいのが本音です。CDでお茶を濁してるお店はちょいと手抜きしてるんじゃないかしら?いやいや、お店にしてみれば繁盛もしてないのに、演奏時間が短いレコードの盤面を変える手間暇はありまっせん!と叱られるのは承知の上で申しているのですが、やはりジャズ喫茶の存在意義はレコード盤を聴けるということです。目を閉じ、巨大なスピーカーから流れる音を一音一音聞き漏らすことなく聴いてるうちに、緊張のあまりおしっこ漏らしそうになりトイレに行った次第です。

一時間ほどしたら一人の客が入店。おいらもなんだかほっとして帰れる気分になりました。

この店の拘りに魅せられ14年続いているんでしょうね...おいらも20代の頃、毎日のように新宿のジャズ喫茶DIGに通っておりました。老いたらジャズ喫茶やる計画だったんだが...人生なんて所詮、ケセラセラでございます。

1662-1.jpg

1662-2.jpg

マイルスも感染予防中

<<次の記事 前の記事>>