トムプロジェクト

2023/03/20
【第1731回】

ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんが亡くなりました。若い頃にこの作家の作品貪るように読みました。おいらが好きだったのは「飼育」「個人的な体験」「芽むしり仔撃ち」「万延元年のフットボール」「同時代ゲーム」位までかな。その後の作品は観念的になり文学そのものを解体し再構築していくようでもありました。その一方、戦後民主主義者を自認し、憲法九条を守る運動、広島、沖縄の対する忌憚のない発言をしつづけてきました。言語に拘りながら、世界の危機的状況に一貫して弱者の立場に立ちながら世界に発信してきた功績は計り知れないものがあると思います。

今から半世紀ほど前になりますが、新宿に在ったジャズ喫茶ビレッジバンガードで大江さんを見かけたことがある。物静かな佇まいで店内に流れる曲を耳にしながら心地よさそうにウイスキーを何杯も飲まれていた。村上春樹然り、ジャズを愛好している作家の文体は、いずれもスイング感が溢れ、ジャズファンとしては行間から音が零れ落ちそうな感覚にとらわれ二倍楽しめる読後体験。

この時代、こうやってまた一人、平和を希求する有能な旗振り役が姿を消していく現状に不安を覚えます。こうなったら一人一人の粘り強い行動で全ての争いを止めさせるしかありません。

生きている以上、それを放棄することはとんでもない犯罪行為に匹敵するかもしれません。

世界は、地球と言う惑星はそれほど危機的状況でございます。

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こんなの好きだな

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