2023/03/01
【第1723回】
今日から待ちに待った弥生でございます。昨日に続き、今日も東京は春の陽気です。冬のコートを脱ぎ、春の装いで颯爽と歩く若者の姿を見るにつけ、もうすぐ春ですね♪てな嬉しい気分になっちゃいます。
でも、この3月は忘れてならない東日本大震災が発生した月でもあります。もうすぐ12年になりますが、この国がこれから先も忘れてはならない3月11日がやってきます。
先日、新聞でこんな記事が掲載されていました。
「モンティ先生」陽気な米国人先生は子供たちから親しみを込めてそう呼ばれていました。アラスカでの少年時代に両親を亡くした彼は、教師が一人一人の子供たちと長く付き合うことの大切さを大事にしていました。「将来は日本と米国の懸け橋になりたい、人の役に立つ仕事がしたい」という思いで外国語指導助手として2009年に岩手県陸前高田市にある米崎小学校に赴任してきました。校外でも、近所の住民とお茶会を開いたり、居酒屋に飲みに行き交流を深めていたそうです。2011年3月11日は彼にとって米崎小での最後の授業、副校長から一つのお願いをされました。それは司馬遼太郎が1980年代、日本の未来を憂いて小学生の国語教科書に書いた「洪庵のたいまつ」。その一説を子供たちに英語で紹介したいと英訳を頼まれました。<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>彼は快く引き受け、サラサラと英訳を書きました。その後、授業終了を報告するため市教育委員会に向かいました。その約1時間後の午後2時46分、陸前高田市を震度6弱の地震が襲い津波が押し寄せました。市教委の入った建物は津波にのまれ教育長、次長も流されました。後日、彼も遺体で見つかりました。
あの日受け取った英訳の紙片は職員室の机の上に残っていました。その後、来日した遺族に遺品として渡したが、副校長は教員を定年退職した今も、紙片のコピーを大切に保管している。<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>これは26歳で亡くなったモンティことモンゴメリー・ディクソン、あなたのことですよ...
この不穏な時代、一日一日、生かされてる者にとっては大切なことであることを改めて思い知らされる記事でありました。
弥生