トムプロジェクト

2023/02/20
【第1719回】

先週の週末は、劇団トラッシュマスターズの「入管収容所」を観てきました。2021年3月6日、スリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局で死亡したウィシュマさん死亡事件をモチーフに、日本の入管庁(出入国在留管理庁)の問題に斬り込んだ舞台。未だにこの国の為政者は、不法滞在の外国人はほとんどが悪い奴らと決めつけて対応している。移民、亡命者にたいする接し方も後進国並みだ。確かにこの資源に乏しい島国が、異国の人たちに制圧される光景を想像するとあまりいい顔しないのは分かる気がする。しかしながら、先にも触れたのだがこの国の働き手が少なくなっていく将来、異国の人たちと手を携えて生きていかなければならないことも想定しなければと思う。

トラッシュマスターズの芝居は、いつも今あるこの国の問題点をいち早く取り上げ舞台に仕上げていく。ある意味、演劇は今を描いてこそのアートかもしれない。今回の舞台もメディアで報道される上っ面のことではなく、劇作家、中津留章仁が綿密に取材したことを基本に自らの想像力を駆使して2時間40分の芝居に仕上げた。出入国在留管理局の非人道的な数々が目の前で繰り広げられ戦慄さえ覚えた次第だ。これも演劇が放つチカラに違いない。演劇とは己が信じた思考を行動に移す極めてシンプルな表現でございます。

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サギは後ろ向き

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