トムプロジェクト

2023/02/22
【第1720回】

昨日は、東京芸術劇場シアターイーストで劇団温泉ドラゴン「悼、灯、斉藤」(とう、とう、さいとう)を観劇。この作品は、作者である原田ゆうさんの家で起こった実話を元にした作品です。2020年6月に介護士だった実母が突然亡くなり、残された三兄弟が集まり、これまでの人生を振り返りながら、語り合い衝突しながら関係を修復していく物語。勿論、その輪の中にお父さんの存在があり、親子の微妙なやりとりも描かれていました。

今回の作品の演出・主宰者であるシライケイタ、次男役いわいのふ健、亡くなったお母さん役の大西多摩恵、長男の妻を演じた林田麻里さん。この4人はトムでも過去に一緒に仕事した人達です。時間を経過した中で、それぞれがそれぞれの形で表現の変化を観るのもプロデューサーとして楽しみの一つです。今回、母を演じる女優さんが体調不良で降板され、2週間で創りあげた多摩恵さんの奮闘振りに拍手。芝居屋さんは助けられたり、助けたり、長年芝居やってますと、その辺りの案件を阿吽の呼吸で危機を乗り越えたなんて事例は数多くあります。

母ものはやはり涙なしでは見られないですね、会場のあちこちですすり泣きが聞こえてきました。これも役者の表現力、そして演出力があっての話。10年から20年、芝居をやり続け力を蓄えていく劇団の過程も大変ドラマチックでございます。

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