トムプロジェクト

2023/03/24
【第1733回】

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし...古今和歌集53 在原業平朝臣の有名な歌である。そうなんですね、桜がなかったら、そろそろ咲くのかな?もう散ってしまうんだろうか?と思い煩うことなく平穏に過ごすことが出来ると思う。でも、今こうやって桜は現実咲いているし何とも悩ましい思いをかき立てている。その複雑な心情を通して桜の魅力、そして長い冬を経て訪れた春の悩ましさを見事に表現しています。

今日も、満開になった桜が吹く風に乗って心地よいリズムに乗って散り始める光景を眺めながら、未だ覚めやらぬWBCの余韻を感じています。この桜ってやつは、この国のシンボル的存在であることは紛れない事実です。桜の季節の別れと出会い、新たなスタート、戦時中には戦意高揚のために利用されたこともあります。人生の節目としても桜は欠かせないものです。パット咲いてパット散る、このなんともいえない時間に人はなにを思うか?

「ソングマン」も今日で4回目のステージを無事終えることが出来ました。さすがに若い人たちによる芝居、テンションが全然落ちません。喜寿を迎え、さすがのおいらも心身ともそれなりに落ちてきております。今回の芝居を観ながら、嘗ての青春時代のあれこれを想い出してしまいます。苦い想い出も含めて良いことも悪いことも、今ではすべて過去形です。人生全て3分前は過去だと潔く切り捨てればとは思いますが、少しは未練がましく思ってしまうのも人の性なんでしょう...

桜の見ごろも今週一杯かな?今年も思い残すことなくサクラ♪サクラ♪堪能いたしましょう。

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神田川のサクラ

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