トムプロジェクト

2023/09/22
【第1803回】

福井県越前市いまだて芸術館に行ってきました。10月9日に公演する「沼の中の淑女たち」に関連したプレセミナー・ワークショップをやってきたのでございます。先ずはおいらが「今、なぜ演劇が必要なのか」というテーマで1時間15分ほど喋ってきました。この会館では、過去トム・プロジェクトの作品を7本上演してきたので話の通りがスムーズに展開しました。演劇は映像と違って、舞台上のすべての演者の芝居が均等に観ることが出来るので、観客それぞれが自分の感性、好みでフォーカスできることの話の件ではとても興味深く聞いておられました。来場者の一人の女性が「演劇を見た後のいつまでも消えない幸せ感、温かい感覚が何とも言えません。」と芝居に対する率直な意見を嬉々として話しておられたのが印象的でした。

次に、俳優中嶋ベンさんと来場者による寸劇。地元でアマチュア演劇をやっている方の芝居はなかなかのものでした。

実はこの日、おいらがスペインを旅しているときにバレンシアで知り合った増田頼保、智雪夫妻と40年ぶりの再会を果たしました。ご夫妻二人、今立でアーチストとして活躍されていました。今立現代美術紙展の実行委員長をやったり、アートに彩られた風力発電機を創ったり、地元独自の文化を発信し続けていました。40年前バレンシアの彼らの家に泊まらせていただいたときは、おいら見果てぬ夢話を延々と話していたそうだ...その後、これまでにどこまで実現できたことやら?

人口の少ない日本の地方都市で、演劇を愛する人達との交流は、制作する我々にとって励みになると同時に、芝居創りの初心に立ち返る貴重な時間でもありました。

1803.jpg

眼鏡の町

<<次の記事 前の記事>>