トムプロジェクト

2024/04/30
【第1886回】

GW前半終了、どこに行っても車と人だかり、こんな時は近場でのんびりしているのがベストです。日比谷シャンテで「落下の解剖学」観てきました。なんだか難しい医学的な映画かなと思いますが、人間の心理を愛情とエゴを交えて巧みに描き切ったドラマです。視覚障害の子供への愛情と悔恨、夫婦間に生ずる微妙な誤解とずれ、その描き方が実にリアル、そして緻密に描かれる。そして夫の死を巡って(落下死)のスリリングな裁判劇。判決は下されるのだが真実は観客の想像に任せられる...この映画に登場する犬の表情が、この作品のヒントにもなっているところがなんともフランス映画らしい。映画を観ているというかなんだか芝居を観てる感じがしてくるのも、ひとえに脚本のすばらしさだと思う。

主人公を演じた女優サンドラ・ヒュラーの複雑で陰のある演技がこのドラマをより一層、緊張感と繊細さを生み出している。けっして美人とは言えないのだが、この人の内面からあふれる姿を見ているうちに、ひとりの女性の健気で強靭な意志力でついつい彼女に寄り添っていくおいらもまさしくこの映画に乗せられた一人でございました。

衆議院議員補欠選挙、予想通り自民党にお灸がすえられました。一時的なお灸では、またまた権力はあの手この手を使って復活してまいります。この機会に、しっかりとお目覚めしないとこの国は間違いなく滅びの道を歩んで行ってしまいますよ。

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日比谷のゴジラ

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