トムプロジェクト

2020/02/12
【第1307回】

一昨日、横浜県民共済みらいホールで「沖縄世」の最終公演をやってきました。ひとつの公演が事故もなく無事終えることがどれほど嬉しいことか...世の中が新型コロナウイルスで騒然としている中であり、生で勝負している我々にとってはホットした次第でございます。最終公演とあって、役者も万感胸迫る思いで演じていましたね。長い稽古を経て、いよいよこれが終わりとなると、そりゃ泣けてきますがな。特に終盤に差し掛かると役者も涙を堪えての演技でしたね...役者が泣いちゃったらお客は泣けませんことよ。これは役者の演技禁じ手十箇条のひとつでもありますね。ぐっとこらえて笑みのひとつでも見せれば、お客は涙でくしゃくしゃになること間違いありません。泣かせて、笑わせて、感動させればお客さん「ええ芝居やった!」と時間とお金の倍返しって訳ですな。つくづく芝居って難儀な生業でございます。

そして、いつも千秋楽に思うことは本当にこれが最後かな...再演が無い限り、再び日の目を見ることはありません。この日この時に観た人の記憶の中でしか存在しない希有なる芝居となるでしょう。勿論、駄作であれば記憶すらないモノになってしまうんだと思ったら、やっぱし気合い入れて創らねばと改めて思う次第でございます。

1307.jpg

落陽

<<次の記事 前の記事>>