トムプロジェクト

2024/07/16
【第1917回】

先週の週末、いつも独自の視点で作品を選び上映し続けているミニシアター東中野ポレポレで「方舟にのって~イエスの方舟45年の真実~」を鑑賞。1980年に東京国分寺市から10人の女性が突如消え去り、「イエスの方舟」の主宰者である千石剛賢氏が若い美しい女性を連れ去り、カルト集団、ハーレムなどと世間を騒がせた事件。今尚、福岡県古賀市で昔そのままの共同生活をしている集団を取材したドキュメンタリー映画である。

おいらも、当時このニュースが報道されるたびに何とも不思議な感じがしていた。メディアは面白おかしく何とか事件にしようと躍起になっていたのだが、娘さんたちの家族の訴えも空しく結局は不起訴という形で幕を閉じた。要するに、千石イエスことオッちゃんの人間性に魅かれ日本全国逃避行を重ねながらも、この45年間この方舟は航海し続けられたと思う。

この目で確かめようと、2002年に当時博多の中洲のど真ん中で、この集団が営業していたスナック「シオンの娘」に出かけてみた。カウンターに囲まれた店は清潔で落ち着く居心地の良い雰囲気に満ちていた。見事なくらい美しく清楚な感じがする女性ばかりで、お酒は一滴も飲まず、媚びることもなく知的でリラックスできる会話で美味しいお酒を飲むことが出来た。そして何よりも驚いたのが40分にわたるショータイム、シャンソンあり、演歌、フラメンコ、太鼓、日本舞踊などなど盛りだくさんの芸が次から次へと展開される。それもアマチュアの粋をはるかに通り超えプロの技である。

今回、このドキュメンタリー映画を観終わった後も謎は残る...家族とは?宗教とは?社会とは?でも一番の謎は、千石イエスことオッちゃんである。

1917.jpg

イエスの方舟、今尚航海中

<<次の記事 前の記事>>