トムプロジェクト

2024/07/19
【第1918回】

今回で4度目となる「風を打つ」東京公演、今日が千秋楽となりました。3日間という短い公演でしたが、初日からキャストの熱量と比例するかのようにお客様の反応もなかなかのものでした。終演後の拍手の質が半端じゃありません。いまだ未解決の公害の原点である水俣病に対する問題意識もさることながら、困難に立ち向かう家族の在り方に深い共感を覚えたに違いありません。苦境に陥ったとき、如何に前を向かって生きていけるか?そのヒントになることがこの芝居には描かれています。様々な価値観を抱えながら、人はどこを切り取りながら家族という共同体を円滑に回していけるのか...最近、家族崩壊のニュースが頻繁に報道されています。親子でありながら、兄弟でありながら何故?血のつながりがあるほど憎悪の感情がより濃く現れるんでしょうか...

昨日、長年に渡って水俣病患者の方々の救済に関わっている方が終演後おいらのところに駆け寄り、「現地の患者の皆さんの苦しみを見た人間として、何とかしなければという気持ちが今なお救済運動へと駆り立てられてるんですよ。」と、そしてこの芝居を観てより背中を押されたとおっしゃっていました。あの中村哲さんも同じようなことを述べられましたね...見て見ぬふりする輩が増えるほど国は滅びていくに違いありません。

声を上げ、アクションを起こす、何事もここからしか変革はありません。

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劇場前の公園

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