トムプロジェクト

2025/10/20
【第2098回】

おいらが住んでいる杉並区高井戸駅の近くにあった居酒屋で知り合った落書き家、久住ヒデトさんの個展『戦っているキミへ~白旗上げるにはまだ早すぎる~』に顔を出してきました。会場には彼が描いた強烈な絵たちが並んでいました。以前は舞台役者もやっていたとかで、彼の抱えているアナーキーな匂いを四方八方からこちらに攻撃を仕掛けている感じがしました。今回の企画について彼はこんなことを書いていました。

 

僕はまだ何も成し遂げてはいないし偉そうな事は言えないけれど、不安で明日も見れず怯えているなら、今にも潰れそうなら『白旗上げるにはまだ早すぎる』と引っ張り上げる事は出来ます。僕らの中にあるワクワクやドキドキは今も産声を上げ続けているから、耳を塞がずそれでも目を凝らして大きな一歩を踏む必要があるんです。アナタのアクションが誰かのアクションを踏むキッカケになっている。今結果は出なかろうが勇気を持って踏んだその一歩は貴重です。

 

この現実に生きている人間皆不安です。その不安を払拭する方法は彼が言うように己を振るい立たせワクワク、ドキドキする何かを見出しくらいついていくしかありません。彼にとっての夢、希望はキャンパスに向かって筆をもって叩きつけることから確かめたかったのかもしれませんね。こんな事、僕には出来ない、無理なんて言っているうちに尊い人生終わっちゃいますよ...今からでも遅くはありません、アクションスタート!

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ワクワク、ドキドキ

2025/10/16
【第2097回】

連日メディアは面白おかしく、次なる首相を巡っての報道がなされています。政治屋さんにとっては天下の一大事かも知れないが、これまでの政治の流れからいっても誰になろうとたいして代わり映えはしないでしょう...昨日突然、維新が政権に近寄ると首相になりたがってた人が二枚舌と怒ってましたね。あっちにふらふら、こっちにふらふら、甘い蜜を求めて政界渡り鳥の輩はハナから信用してませんが、いずれにしてもこの国の未来の姿に希望を持てないのが残念です。26年間もの長く連立していた政党がようやく解消したのが唯一明るいニュースかな。新たに政権にシンパシーを送る維新さん、そのうちあの魑魅魍魎集団に飲み込まれ消滅するかもしれませんね。ハットの爺さんが院政を敷き、多くの裏金議員が虎視眈々と返り咲きを狙ってるのにNGカードも出せずにいる異常な集団なんですから。

止まらぬ物価上昇何とかしてくれ!庶民の悲痛な叫びの中でのなんだかゲーム感覚での政局、ほんまにあきれてしまいますがな。こんな人たちにこの国の行く末を任せなきゃいけない悲劇を今一度忘れないで次なる選挙で正しい選択を!と思い、言い続けて何十年。果たして死ぬまでに誰が考えても合格点を出せる政治状況を生み出せることが出来るのか...残念ながら無理でしょうね...と言って、諦めたら人生終わりです。もう一度足元固め、未来の子供たちのためにもひと踏ん張りせねばならんでしょう。

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納豆を美味しく食べる講座

2025/10/14
【第2096回】

先週の週末は、またまた連日観劇の日が続きました。11日はMyrtleArts(マートルアーツ)主催による「マクベスに告げよ」。精神科医でもある、くるみざわしんが描いた戯曲。彼が体験した精神医療の問題にメスを入れるというか、事実メディアでも取りざたされる精神病院での医療者による患者への数々の虐待。それに伴う人権侵害などなど日本の精神医療の苦言を呈する意味での問題提起劇。この難しいテーマを演出した東憲司によるチカラはかなり大きかったのではなかろうか...演劇はエンターティメントの要素も必要とされているので魅せる要素がないと、観客は舞台への集中が途切れてしまう。個性的な俳優を上手くいかしながら美術、音楽、を効果的に駆使し1時間40分上手く纏めていた。

12日は劇団温泉ドラゴン「まだ おとずれては いない」を観劇。今回は男性劇団員3人による芝居。こちらは、昨日ようやくガザでの和平の道が開かれつつあるパレスチナへの連帯をテーマにした芝居。今回の話を芝居にしようと思ったきっかけは、作・演出の原田ゆうが、パレスチナについて二人のフォトジャーナリストは対談するイベントに参加した時、参加者の一人が鞄に「FREE PARESTINE」「STOP GENOCIDE」と描かれたバッジとクロスステッチを付けているのを見て、勇気があると思ったこと。そして本人もバッジとクロスステッチを買って鞄に付け、バス、電車のなかでの反応が気になったそうだ。なかでもインバウンドで日本に来ている外国人の目。このふとした行動から芝居にしようとする経緯がドラマチックである。

すべからく、己の中でおかしいと感じたことは行動を起こす意外に、この世界は何も変わらないのだ!

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想うがままに...

2025/10/10
【第2095回】

街はいろんな風景を見せてくれます。勿論、自然が豊かな田舎の風景に疲弊した心身をいやしてくれることは当たりことですが、都会の雑踏の中でもほんの一瞬解放させる魔法のちからがあります。自然の癒しのちからと比べるとなんだか瞬間癒し器みたいなものですが。今の東京は外国の旅行者であふれかえり果たしてこの国は?なんて錯覚を覚えることも多々あります。特に新宿ゴールデン街はお客の9割は異国の人達で賑わっています。先日伺った店は日本語で書かれたメニューがないんですからあちゃ!って感じです。この日もフランス、イギリス人が自分のいきつけの店のごとくの振る舞い。こちらが肩身の狭い思いで飲む姿に、やはり違和感を感じてしまいます。もはや、嘗てのゴールデン街の武勇伝なんぞは皆無になってしまいそうですね。

昨日は文京区シビックホールで開催された島田歌穂さんの「Musical,Musical,Musical!!vol.5」に行ってきました。今回は、今の旬なミュージカル作品から、ジュークボックス・ミュージカル、そして王道のヨーロッパ・ミュージカルまで幅広いジャンルの名曲を聴かせて頂きました。年齢を感じさせないパワフルかつ繊細な歌穂さんの歌声に満員の観客も堪能できたのではないかと思います。この日スペシャル・ゲストで登場した中川晃教さんもさすが日本ミュージカルの牽引者であることを証明する見事な歌声でした。

さすがのおいらも夜の催しに顔を出すことが少々辛くなってきましたね。このハチャメチャな気候変動に後期高齢者は太刀打ちできませんがな。

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新宿西口

2025/10/08
【第2094回】

奈良の鹿さん、女性初の自民党総裁おめでとうございます...と言いたいところなんですが人事を見て、あれあれと思いました。総裁になる足がかりを作ってくれたハットのおじさん(周りの人、やんわりともいいですけんあまりお似合いではありませんよ!とアドバイスせないかんですばい)にお礼を込めての人事。そしていよいよ裏金議員の復活、どこが出直しなんですか?依頼する方も如何なものかと思うのですが、何食わぬ顔して受諾するいかがわしい宗教団体の支援丸受けしたいかにも図太そうな面構えをしたおっさん。庶民は皆あまりにも急激な物価の値上げに大悲鳴をあげているのに、なんら政策論争もなく政治空白をつくったあげくの果てがこれではたまりませんばい。

一方、野党といえば先細りしていく現政権にちらほら色気をみせながら連立を夢見たり、党内で内紛を起こしたり、こちらもなんだかパットしませんな。とにかくメディアに現れてくる政治屋さん、一度、顔洗って出直してこいや!と毎度のことながらがっかりしてますねん。

昨日、近くの街中華で食事していると野党第一党の役員をしている議員が入ってきました。おいらはお疲れ様を兼ねて軽く会釈、その方も軽く会釈しビールを片手に料理一品、ラーメンを食べながらもタブレットとにらめっこしていました。あのハットのおじさんもたまには大衆食堂にでも顔出して庶民の暮らしを体験してみたらいかがでしょうかね。

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少しづつ秋ですネ

2025/10/06
【第2093回】

早いもので、創設以来トムを支えてくれた森ちゃんが亡くなって一年経ちました。彼とは劇団GMGで出会いました。おいらは劇団の主宰者の頼みで学校公演の営業を手伝っていました。森ちゃんは劇団員になると役者として張り切っていました。「ビルマの竪琴」ではなんと主役の水島上等兵の役(ちょいと型破りの水島だったかな)もこなし劇団の中心的な役割を果たしていました。以降、営業に回り劇団拡大に貢献しました。九州公演では博多に拠点を構え、おいらが紹介した今は無き六本松スナック「ひろ」で楽しい日々を過ごしていたそうな。

トムを始めた時、森ちゃんに声を掛けました。愛されキャラの森ちゃんはスタッフ、キャストとうまくコミュニケーションを取りながら、その後の会社の発展に大きく貢献してくれました。とりわけ全国の演劇鑑賞会のブロック会合に頻繁に顔を出し、大好きなお酒を傾けながら会員さんの信頼を得ることになりました。昨年の葬儀の際も、全国各地から鑑賞会の皆さんが駆けつけてくれました。

そりゃいいことばかりではありません。芝居の制作会社なんぞは年中、博打をやっているようなものです。金銭的なことは勿論、曲者揃いのひとたちと丁々発止の綱渡りの日々の連続でした。そんな時は森ちゃんと相談しながら何とか乗り切ってきました。若い人たちにバトンタッチし、これからゆっくりできるかなと思っていたのに...でも、考えてみれば好きなことを思う存分やってきたのだから幸せだったと思います。

昨日も、あの憎めない森ちゃんの笑顔を想いだしながら焼酎で献杯。

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在りし日の森ちゃん(左から3番目)

2025/10/03
【第2092回】

秋と言えばシャンソンがお似合いですね。しかも昔懐かしい歌手の貴重なレコードを聴きながら、お昼はコーヒーを片手に、夜はワインなんぞを飲みながらのひとときがベストかな。

昨日、針を落としたのは昨年95歳で亡くなったシャンソン界の大御所シャルル・デュモン。エディット・ピアフと出会い彼女の為に40曲くらい書きました。その代表作が名曲「水に流して」。ピアフが1963年に亡くなった後、歌手になることを試みますが、なかなか認められずテレビや映画の作曲の仕事をしていたのですが1970年代の初めに念願の歌手デビューを果たす。「別れのタバコ」が大ヒット、その後「夢の女」「傷ついた心」でディスク大賞を受賞。彼の歌声は低音でまさにいぶし銀の味わいがあり、歌詞の内容も30代から50代の大人の男女にまつわる物語でしみじみといたします。日本でいえばあの低音の魅力で一世を風靡したフランク永井かな?でもシャンソンは、やはりフランスの香りがプンプン匂います。昨今、若者に人気があるリズムとテンポを主としたはやり歌も分かりますが、おいら世代は歌詞重視、やはり大人の歌が落ち着きますね。

東芝EMIのシャンソンレコードシリーズはなかなか良い企画だと思います。ピアフ、アズナブール、ダミア、グレコ、イブ・モンタン、シャルル・トレネなどなど...秋の夜長、レコードに針を落とす瞬間はまさしく至福のひとときです。

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La Chanson

2025/10/01
【第2091回】

今日から神無月。八百万(やおよろず)の神々が、この月に出雲大社に集まり他の国にいないゆえと考えられて来た。また、雷のない月の意とも、新穀により酒をかもす醸生月(かみなしづき)の意ともいわれる。あらためて日本語の含蓄の深さを感じます。

京王井の頭線車内のある日の光景。ひとりの70歳前後のオッちゃんが乗り込み着席するやいなやスポーツ新聞を目の前で拡げる。隣の若いお兄ちゃんなんとも迷惑そうな表情でオッちゃんの方に目を向ける。オッちゃん意に介せず、新聞を凝視し時には笑みさえ浮かべる。そういえば、昨今、新聞を車内で読んでいる人は皆無に近い頻度になりましたね。昔はプロ野球のごひいきのチームが勝利すると、その喜びを再度かみしめるために駅の売店でスポーツ新聞を購入し、嬉々とした表情を見るのが日常茶飯事でございました。熱狂的なファンは、新聞記事を切り抜きファイルに納め宝物のようにしていました。

おいらが応援しているライオンズ、今年もポストシーズンに出ることができませんでした。

6月までは一応夢を見させていただきましたが、何せバッターが打てません。おんどりゃ、なにさらしとんねん!と喝入れたいシーンばかり見せられるとこちらもなえてしまいます。

その憂さを今日も大谷選手のホームランで晴らさせて頂いています。ポストシーズン最初の試合で何と2本のホームランをかっ飛ばすんですから、もはやマンガの世界も越えていますね。明日は山本投手の出番、ドジャース、日本選手の活躍で2年連続ワールドチャンピョンまで昇り詰めることができるかな?

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なんとなく秋