トムプロジェクト

2026/09/14
【第2230回】

先週の土曜日は「オデュッセイア」を鑑賞。3時間飽きることもなくたっぷり楽しませていただきました。「オッペンハイマ―」で物議を醸したクリストファー・ノーラン監督、今回も問題提起しながら、この配信全盛時代に映画館でしか楽しめない超エンタメ映画を創り続ける映画魂に拍手を送りたい。主人公オデュッセイア(マッド・デイモン)は自らの王国に帰るために長引く戦争に終止符を打たなくてはならないと思うのだが、その代償として世界は終末へと向かう。帰るために、帰り着くべき場所を破壊させなければならないというジレンマに直面してしまう。その苦悩をマッド・デイモンが感情を抑えながら見事に演じ切っている。年を重ねるごとに存在感を増す役者の典型である。今回の作品は前作「オッペンハイマー」の主人公と共通している部分がある。トロイの木馬という奇策でギリシャ軍は勝利するのだが、その詭計は倫理の喪失を招き、世界のあるべき秩序を崩壊させてしまうという矛盾。今まさに世界が抱え込んでいるジレンマを、古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」を借りながら映画が持ち合わせた魅力をすべて注ぎ込み観客を釘付けにする映画人がまだまだ存在することに感謝したい。

しかも、シニア割で¥1200なんて何だか申し訳ない気がしてしまう。それに比べて芝居のチケットが何と高いことかと痛感する次第でございます。勿論、この現状下でのローテク産業、どうしようもないことですが、こんな映画をこの値段で観れるとなるとどうしても映画館に行っちゃいますよね...演劇人も頑張らなくちゃ!とおしり叩かれ映画館を後にしました。

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久し振りの晴天

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