トムプロジェクト

2026/10/01
【第2235回】

渋谷のイメージフォーラムで、今年4月に亡くなった金井勝さんの映像を観てきました。金井さんとは今は亡き同人誌「鷽」を発行していた中村信昭さんの紹介で縁を頂きました。金井さんは、劇映画やドキュメンタリーといったジャンルを自由自在に行き交いながら独創的かつ刺激溢れる作品を創りあげてこられました。カメラから覗く対象に対し彼独特の感性、信念基づいて円転滑脱に発想された作品群は、日本の実験映画、個人作家としての先駆け的な存在であり、その後の多くの映像作家に多大な影響を及ぼしています。今回観た「聖なる劇場+スーパードキュメンタリー前衛仙術」も十分楽しませて頂きました。自宅の庭に生息する生き物に対する深い愛情と感謝の気持ちが画面から溢れんばかりこぼれ落ちていました。そして、時折発する金井さんの臍下丹田から発する命の叫び声が、なんとも可愛く美しかった。89年の生涯、自分に嘘をつくこともなく己の生命の在り処をしっかりと見つめながら生き抜いた金井さんにお疲れ様でしたと言いたい。

帰りに、これまた昨年亡くなった児玉徹がやってたスペインレストラン「ラ・プラーヤ」があった店の前を通ることになった。おいらが住んでたスペインアンダルシア、サロブレーニャ村にひょっこり現れ、すっかり気に入ったこの村でアパートとバイト先を紹介し、その後帰国し店を構えて、それなりの人気店に仕上げた何とも憎めない男でした。表面的には強気を前面に出してはいたものの、実は照れ屋で心優しき九州男児でした。

嗚呼、この歳になると先輩、友人が次からへと黄泉の国に旅立ってしまう。おいらもそのうちだとは思うのだが、まだまだ勉強しなきゃならんことが多すぎますので、そちらの旅は予定しておりませんがな。

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金井勝の万華鏡

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