トムプロジェクト

2026/10/05
【第2236回】

先週の土曜日は、新宿紀伊国屋ホールで今年28回目を迎える石橋幸「僕の叫ぶ声」に出かけてきました。石橋幸こと通称タンコさんは、新宿ゴールデン街で半世紀以上「ガルガンチュア」というお店のママさんでもあります。おいらも当然半世紀以上通い続けている常連の一人です。タンコさんもともとは舞台俳優であり、10人も座れば満杯になる店には作家の中上健次、暗黒舞踏の創始者土方巽、おいらが大好きな映画監督森崎東などなど一癖も二癖もあるアーチスト、そして右翼から左翼に至るまで幅広いジャーナリストが夜毎朝まで酒を酌み交わし喧々諤々の論争に明け暮れていました。酒を楽しんで飲むどころかしっかりとした理論武装と、あらゆるジャンルにわたる知識なくしては留まることが出来なかったお店でした。そんなゴールデン街も今や、世界各国の情報誌に東京のディープな場所として紹介され9割が外国観光客で占領される街に様変わりしました。

ところでこの日のコンサート、タンコさんも82才、さすがに肉体的な衰えはあるものの持ち前の凛とした精神性を堅持しながら2時間弱の舞台を無事相務めました。全22曲すべてロシア語で歌うところがなんとも彼女らしい...中上健次が「石橋幸は、ロシアの歌をロシア語で歌い、あまりにも深くロシアの人と土地に共振れする。」と言わしめた。

最近、身近な人の死に立ちあっているだけに、この日もタンコさんが来年もこの場で歌う現場に立ち会えることを願って劇場を後にしました。

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来年も歌ってね ♪

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