トムプロジェクト

2023/07/11
【第1775回】

先週の週末、女性ばかりの集団<理性的な変人たち>第三回公演「海戦」を観劇。この作品は1924年に築地小劇場のこけら落としで上演された作品です。第一次大戦中に、イギリス海軍とドイツ海軍の主力艦隊同士がぶつかった、同大戦中最大の海戦をモデルとしています。いや、面白かった!これぞ演劇でしかできないという要素が満載。音、美術、衣装、いろいろと趣向を凝らしていて飽きさせません。7人の女優も個性的、皆さんそれぞれ演技スタイルが違っていてそれなりに楽しめました。それにしても99年経った今、なぜこの作品を選択したのか?世界が又もやきな臭い世界に突入しようとしている現況を考えると当然かもしれません。そして女性だけで体当たりの演技でインパクトを与えようとしたことも正解。要するに今回の企画ハナマルでございました。おいらもこれまで、この集団の芝居すべて見てきましたが、まさしく<理性的な変人たち>の本性が見えてきたなという公演でした。トム・プロジェクトに所属している滝沢花野さんがとっても素敵でした。この集団のリーダー役でもあり、彼女の良さが随所に出てました。

表現はいつも新鮮でなければなりません。長年芝居やっているとついつい安全パイのなかでやってしまいがちですが、知らぬ間にこびりついた垢は洗い落としていかないとさし障りのない演劇になっちゃいます。勿論、経済基盤が脆い中での公演も厳しいのは承知の上なのですが、常に新しいことに挑戦、冒険していく心意気だけは忘れたくないと思っています。

そんなことを思わせてくれる一日でした。

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7月の空

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