トムプロジェクト

2023/08/21
【第1790回】

先週の週末、練馬区下井草に拠点を構える、東京芸術座アトリエ公演「アンブレイカブル~敗れざる者たち~」を観劇。戦前から演劇活動をしていた村山知義さんが創立した歴史ある劇団です。今回の芝居は戦前の日本で治安維持法違反に問われ、特高警察による過酷な取り調べや劣悪な環境の中で命を落とした者たちの話です。今この国の現状を「新しい戦前」という発言があったように不穏な動きがあちらこちらで見受けられる中でのタイムリーな公演だと思いました。

この傾向の芝居の役作りは非常に厄介です。熱くならず、かといってあまりにも冷めた表現でも観客に伝わらず、そのあたりのさじ加減が難しいと思います。今回登場する役者さん、そのあたりをじっくりと本を読みこみ稽古で積み上げていったのではなかろうか。勿論、その表現を冷静に見続け演出した演出家の手腕があっての舞台です。

おいらも長いこと芝居に関わってきましたが、この劇団のように真摯に演劇に向き合っている集団に出逢うと嬉しくなってしまいます。驕ることなく常に市井の人達に寄り添って芝居を創る!この姿勢がある限り演劇が衰退することはありません。

それにしてもこの暑さ異常ですね...外出を控え、物価の値上げで消費を控えるなか、今日も長年地元の人たちに愛された居酒屋が閉店を余儀なくされた新聞記事を眼にしました。

一寸先は闇...危機感を感じながら楽しく生きるなんて矛盾してるようには思いますが、これが世界の現状でございます。

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新宿南口

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