2023/12/22
【第1838回】
最近、BS12での東映映画「日本侠客伝」を良く観ています。懐かしいですな!勿論、あの高倉健さん主役のシリーズものです。筋立ては決まりものの勧善懲悪、ラストは健さんの渋い歌声に乗りドスを片手に極悪非道の親分のもとに殴り込むお決まりのコース。その助っ人が鶴田浩二、池辺良などなど豪華ゲストときたもんですからたまりません。ヒロインは藤純子、透き通るような肌にしっとりとした彫り物がこれまたたまりませんことよ。そして、脇役に藤山寛美、大木実、辰巳柳太郎、島田正吾、若山富三郎、二谷英明などなど豪華な顔ぶれ。伴淳三郎、上田吉次郎なんかの登場には思わず笑いがこみ上げてきました。
思えばこのシリーズ、今は無き新宿昭和館でおいらも観たもんでございます。客席には全共闘の学生も来ていました。健さんが殴りこみに行くシーンになると「待ってました健さん!」の声があちこちから聞こえてきました。彼らにすれば時の権力を打倒するためにゲバ棒持って国会に向かう姿をオーバーラップしたに違いありません。
旧きやくざ映画の典型ながら、役者の粋、色気、そして存在感、見世物としてはなかなかのものです。監督を務めるマキノ雅弘の職人芸にただただ感心します。映画に対する愛情がスクリーン一杯に溢れかえっています。
高倉健さんみたいなスターはもう出てこないでしょう...勝新太郎、三船敏郎然り、あの時代だからこそ誕生した俳優だと思います。それにしても何事にも窮屈になったこの時代、すべてがこじんまりとし、程よくまとまり過ぎたモノに覆い尽くされていて、おもろくありません...こうなったら、自分でおもろくするしかありませんな。
新宿南口