2026/02/17
【第2144回】
今の時代の映画女優、いや男優も含めて突出している俳優はエマ・ストーンではないだろうか...初めて見たのが2016年アメリカで公開されたミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」、女優志望の役を感情豊かに活き活きと演じ、この年のアカデミー賞主演女優賞を受賞。次に観た2023年に公開された「哀れなるものたち」で腰を抜かすほどの体当たり演技にはほんまに驚きました。しかも監督ヨルゴス・ランティモスとの共同企画ときたもんだからこの方の意識の高さに脱帽。そして今回の「ブゴニア」、再び監督とタッグを組んだ新作。本作のオリジナルは2003年の韓国映画「地球を守れ!」カルト的な作品を、かなりスマートにブラッシュアップした作品に仕上がっている。聞いたことがないタイトル「ブルゴニア」とは?古代ギリシャで雄牛の死骸からミツバチが自然発生するという信仰に基づく儀式から転じて、「死から新たな生命が生まれる」という不条理な変化のことだそうだ。冒頭と最後にミツバチが登場するのも象徴的。
物語はサスペンスタッチで進行していくのだが、エマ・ストーンの演技にくぎ付けされてしまう。まさしく身体を張ってという言葉を通り越し、命を懸けて立ち向かう姿に胸迫る思いだ。
この作品には環境破壊への警鐘もはらんでいる。事実、ここ数年地球温暖化の話が一向に改善されないし、自国第一主義の権力者による不条理な戦争...ラストの画面に映し出されるのは、もはや地球はこうなっても仕方が無ないと思わせる壮大な絶望で締められている。

如月の曇天

