2026/02/06
【第2140回】
深海洋燈の「戦争で死ねなかったお父さんのために」を、すみだパークシアター倉にて観劇。この集団は劇団新宿梁山泊に所属していた人たちが立ち上げた劇団です。今回は「つかこうへい祭り」と銘打って「熱海殺人事件~売春捜査官~」との二本立。それにしても2010年に亡くなって16年経った今でも彼の作品は毎年どこかで必ず上演されているという人気である。今回の公演も、元の作品に時事的なネタを交えながらショー的要素もふんだんに盛り込みながらの熱演であった。在日二世でもあるつかさんは時代の切り取り方が独特であった。国家、人間に対しサディスティックとマゾヒスティックな部分を抉り出し、究極は愛へと昇華していく。その劇作法は、演じる役者にとって己の感情を最大限に活かせる魅力あるものであり、完全燃焼を好むものにとっては魅力ある戯曲ではないだろうか。
つかさんの台本の創り方はこれまた独特の方法であった。稽古場での役者の動き感性を見極めながら、つかさん自身が台詞を発し(口立て)役者はその台詞を瞬時に暗記して復唱し芝居を続けるスタイルで一本の芝居を創っていく。
当時、つかこうへい事務所の看板俳優であった風間杜夫も稽古場で「風間、ええ恰好するな!お前のずるいところ、ダメなところださんかい...」と何度もダメ出しを喰らったそうだ。
彼の遺書の原文が両国シアターΧに掲示されています。
「友人知人の皆様、つかこうへいでございます。思えば恥の多い人生でございました。先に逝くものは、後に残る人を煩わせてはならないと思っています。私には信仰する宗教もありませんし、戒名も墓も作ろうと思っておりません。通夜、葬儀、お別れの会等も一切遠慮させて頂きます。しばらくしたら、娘に日本と韓国の間、対馬海峡あたりで散骨してもらおうと思っています。今までの過分なる御厚意、本当にありがとうございます」

すみだパークシアター倉からの眺め

