トムプロジェクト

2026/08/03
【第2213回】

先週の週末は、日本橋に出かけました。江戸時代から下町文化の中心地であり、今でも粋なお店が建ち並んでいます。小さな路地に紛れ込むとタイムスリップしたような感覚に襲われる瞬間があります。確かに、本や映像で見聞きする江戸下町の独特な雰囲気の趣がありますね。この日、日本橋社会教育会館で上演された朗読劇「私の下町―母の写真―」は内容もさることながら、この地に相応しい作品でした。昨年、亡くなられた劇作・演出家である福田善之さんの作品です。本人も日本橋で生まれ、おいらが上京した当時に観た「真田風雲録」「オッペケペ」「袴垂れはどこだ」は当時の政治の季節にマッチした斬新な庶民の革命劇でした。その後、春風ひとみ一人芝居「壁の中の妖精」はスペイン大好き人間だったおいらにとってはやられた!という衝撃的な作品でした。スペイン内戦当時、フランコ率いるファシズム一派に対し、徹底的に戦った人民戦線派である女性が壁の中に隠れながら過ごした記録劇。多種多様な人物を春風さんが一人で見事にこなしていました。おいらもプロデューサーとして企画したかった題材でした。

今回の朗読劇は春風さんが企画したもので、戦前、戦中、戦後に息づく庶民の姿を7人の俳優さんがリアルに演じていました。「空飛ぶドン・キホーテ」を終えたばかりの村井國夫さんも物語の進行役としての重要な役を淡々と、しかも説得力ある語りはさすがでした。

観劇後、やはりこの日本橋で一杯やらなきゃ治まらないでしょうということで「人形町寅次郎」に入店。暖簾をくぐり味わいのある座敷に案内され、久しぶりにドジョウ鍋をつつきながらのほろ酔い加減の締めの一日でございました。

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日本橋の一日

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