トムプロジェクト

2023/03/31
【第1736回】

散る桜 残る桜も 散る桜

 

なんだかはっきりしない天気ですが、散りゆくの桜を愛でながら多くの人が桜の名所を散策しています。それにしても、今年の桜の咲き具合なんともさえない感じがいたします。

天候のせいなのか、はたまた世相の暗さなのか、桜もなんとなく不安げに咲いているみたいに見えるのはおいらだけなのか?まあ、これだけ物価が上がれば財布のひもも堅くなり老後の資金のために消費が冷え込んでしまうのは自明の理。物が売れなきゃ製造販売会社も利益が出なくなり、社員の給料も上がらない。まさしく負のスパイラルまっしぐらのわがニッポン。一方、フランスでは政府の年金改革を巡って国内が騒然としています。激しいデモ隊と警察とのやりとりを見ながら、70年代の学生運動を想い出してしまいます。亡くなった友の激しい怒り、あれだけ権力に立ち向かった輩が卒業するや大企業にすんなりと入社して行く姿、戦いのあとに残る様々な人の形になんともすっきりしないものがありました。

人の生き方は様々だと思いますが、やはり筋を通した生き方をしてる人においらは共感します。最近では、やはり中村哲さんですかね...「一隅を照らす」一人ひとりが自分のいる場所で、自らが光となり周りを照らしていくことこそ、私たちの本来の役目であり、それが積み重なることで世の中がつくられる。

改めて、残された人生、しっかりと生きねば思っとります。

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様々に咲いてます

2023/03/29
【第1735回】

もうええ加減ええやろ...いまだWBC関連のニュースがお茶の間に溢れています。コーチの裏話、今日はアメリカまで追っかけてヌートバー選手のお母さんまで登場しました。確かに連日暗いニュースが続く中、今回の件は、今まで野球に興味なかった人まで巻き込み大きな社会現象になったばかりか、人間教育論までに影響を及ぼした感があります。栗山監督の言葉「夢はできる・できないではなく、やるか・やらないかだけだ」これなんかは、今生きる人誰しもに贈りたいメッセージ。今回、ヘッドコーチとして監督と一緒に戦った白井コーチは「栗山監督を言葉で表すと、信じて、任せて、感謝する。そういう人だなと。任せたあとに何が起きても全てのことにありがとう。そこがね、本当に凄いなと思う」としみじみ話していました。日々、頬がこけていく栗山監督の姿を見るたびに、孤高の中でも人間としての矜持を感じました。誰しもが思ったでしょう...こんな人が父であり、上司であり、国のトップを司る人であったらなあと。

明日からは日本のペナントレースも始まります。暫くは、この勢いで野球人気が続くに違いありません。我がライオンズも31日にオリックスとの対戦でスタートします。WBCで骨折した源田選手は居ませんけど、ライオンズ伝統の若い新スターが現れ面白いゲームにしてくれることを期待しています。がんばれ!がんばれ!ライオンズ。

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久し振りの青空

2023/03/27
【第1734回】

「ソングマン」昨日、無事千秋楽を迎えることが出来ました。観劇後、様々な意見が寄せられました。え!これトム・プロジェクトの作品?「いや、楽しかった...青春時代を懐かしく思い出させてくれましたよ。」一方、「トムらしいテイストが感じられなかった...」いやいや

若い制作者に一切任せた公演ですから、これらの反響は想定内です。改めて芝居を観る側にも演劇に対する一定の規範があることが良くわかりました。演劇とは?長年にわたって芝居に関わったおいらにもまだまだ未消化な部分があります。しかし考えてみればジャンルを問わず、観る側と創る側が共に夢を持てるものであればすべて演劇だと思います。

変な偏見を持たず、今、目の前の舞台に素直に感じる気持ちがあれば今まで感じられなかったことの一つや二つの新鮮な発見があるはずです。何事もそうなんですが、好きなことに執着していくうちに、自分自身がその道のプロになっちゃった錯覚に陥ることがあります。そんな時は、一旦身に付けた鎧を外すと意外と新鮮な風が吹きぬけて新たな気付きに自分自身驚くこともありますよ...

でも、すべての舞台がそうでないことも確かです。おいらだって、このくそ舞台に貴重な時間とお金を奪われ、どうしてくれるんだ!と怒り心頭に発することもありますよ。

要は、何事も心身ともどもいつも風通しの良い状態にしていれば、ほんの少しでも生きるヒントを貰えるんじゃないかしら?

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今日のサクラ

2023/03/24
【第1733回】

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし...古今和歌集53 在原業平朝臣の有名な歌である。そうなんですね、桜がなかったら、そろそろ咲くのかな?もう散ってしまうんだろうか?と思い煩うことなく平穏に過ごすことが出来ると思う。でも、今こうやって桜は現実咲いているし何とも悩ましい思いをかき立てている。その複雑な心情を通して桜の魅力、そして長い冬を経て訪れた春の悩ましさを見事に表現しています。

今日も、満開になった桜が吹く風に乗って心地よいリズムに乗って散り始める光景を眺めながら、未だ覚めやらぬWBCの余韻を感じています。この桜ってやつは、この国のシンボル的存在であることは紛れない事実です。桜の季節の別れと出会い、新たなスタート、戦時中には戦意高揚のために利用されたこともあります。人生の節目としても桜は欠かせないものです。パット咲いてパット散る、このなんともいえない時間に人はなにを思うか?

「ソングマン」も今日で4回目のステージを無事終えることが出来ました。さすがに若い人たちによる芝居、テンションが全然落ちません。喜寿を迎え、さすがのおいらも心身ともそれなりに落ちてきております。今回の芝居を観ながら、嘗ての青春時代のあれこれを想い出してしまいます。苦い想い出も含めて良いことも悪いことも、今ではすべて過去形です。人生全て3分前は過去だと潔く切り捨てればとは思いますが、少しは未練がましく思ってしまうのも人の性なんでしょう...

桜の見ごろも今週一杯かな?今年も思い残すことなくサクラ♪サクラ♪堪能いたしましょう。

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神田川のサクラ

2023/03/22
【第1732回】

やりました!WBC、日本が優勝しました。おいらもハラハラドキドキしながら最後まで観てました。8回ダルビッシュ、9回大谷の豪華リレーは夢のようなシーンでした。今後決して観ることが出来ない場面に遭遇出来たことに感謝。準決勝の9回裏の逆転サヨナラ、そして今日の痺れるような試合展開の中、大谷の気迫のピッチングで1点を守りきりました。勿論、大谷、ダルビッシュは凄いのだが、今回の日本チームの勝因はチームが一丸となって戦ったことに尽きると思います。地味目の若手投手陣の頑張りも見応えがありました。メキシコ、アメリカチームの選手のほとんどがメジャーリーグばりばりの現役選手、普通だったら縮こまって心臓パクパクになってもおかしくないのだが、胸を張って堂々と投げ込む姿に感動いたしました。今時の若いもんはなんて言葉がぶっ飛ぶくらいの活躍振りでございます。急遽呼ばれたオリックスの山崎投手はじめ出場の機会が無かった選手も、気持の上でしっかりと戦う姿勢を示していたこその優勝だったと思います。

最近、あまり良いニュースがなかっただけに、今回のWBC日本の人達に夢と希望と勇気をもたらしたに違いありません。

そして、トム・プロジェクト今年最初の東京公演「ソングマン」が昨日、無事に初日を迎えることが出来ました。19日の岩手県一関市の公演を経ての舞台、若手の皆さん、今回の侍JAPAN参加した若手選手に負けず劣らず弾けて演じていました。歴史が証明しています。世の中を変革していくのはいつの世も若者でございます。

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今日のサクラ

2023/03/20
【第1731回】

ノーベル文学賞作家、大江健三郎さんが亡くなりました。若い頃にこの作家の作品貪るように読みました。おいらが好きだったのは「飼育」「個人的な体験」「芽むしり仔撃ち」「万延元年のフットボール」「同時代ゲーム」位までかな。その後の作品は観念的になり文学そのものを解体し再構築していくようでもありました。その一方、戦後民主主義者を自認し、憲法九条を守る運動、広島、沖縄の対する忌憚のない発言をしつづけてきました。言語に拘りながら、世界の危機的状況に一貫して弱者の立場に立ちながら世界に発信してきた功績は計り知れないものがあると思います。

今から半世紀ほど前になりますが、新宿に在ったジャズ喫茶ビレッジバンガードで大江さんを見かけたことがある。物静かな佇まいで店内に流れる曲を耳にしながら心地よさそうにウイスキーを何杯も飲まれていた。村上春樹然り、ジャズを愛好している作家の文体は、いずれもスイング感が溢れ、ジャズファンとしては行間から音が零れ落ちそうな感覚にとらわれ二倍楽しめる読後体験。

この時代、こうやってまた一人、平和を希求する有能な旗振り役が姿を消していく現状に不安を覚えます。こうなったら一人一人の粘り強い行動で全ての争いを止めさせるしかありません。

生きている以上、それを放棄することはとんでもない犯罪行為に匹敵するかもしれません。

世界は、地球と言う惑星はそれほど危機的状況でございます。

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こんなの好きだな

2023/03/17
【第1730回】

そりゃ観たくなりますがな...大谷が投げて打って、おまけにダルビッシュ有まで出てくるんだから、まさしく夢の競演。芝居でいえば千両役者の揃い組といったところですな。昨日のゲームで一番しびれたのは大谷のバント。誰しもがホームランを期待しているなかチームの勝利のためにバント、慌てた投手は暴投、一塁ランナーが一挙に三塁まで走塁し次打者吉田が強いヒット性の当たりで貴重な先制点が入りました。この大谷選手ってホンマに世界一ですわ!世界のお父さんお母さん誰しもがこんな子が欲しいと願うのが良くわかります。これほど非の打ち所がないと逆に気持ち悪いものだが、そう思わせない爽やかな笑顔と時折見せる勝負師の顔、こりゃたまりません...こんなスーパースターになるとほとんど外出もままならない状態の中、苦にするどころか今はすべて野球のために時間を過ごすことが一番楽しいと言い切ってるところもなんとなく大谷らしい。

昨日の試合、我がラインズの源田の渋い守備と打撃も素晴らしかったです。骨折した小指にまかれたテーピングの痛々しい姿でのなか、はつらつとしたプレーをする職人源田選手に拍手。21日アメリカマイアミでの準決勝が楽しみです。確かに史上最強の侍JAPANらしい4試合でしたから十分優勝の可能性ありと思ってますが、勝負事は何が起こるかわかりません。だから野球は面白いんですよね?

「ソングマン」東京公演の前に、明後日19日(日)岩手県一関文化センターで公演します。

お近くの方は是非、若者たちの青春群像劇を観に来てくださいね。

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もう少し待っててね...

2023/03/15
【第1729回】

3月21日~26日まで新宿スペースゼロで上演する「ソングマン」の最終稽古を見てきました。今回の芝居はトムの若い制作者に任せました。おいら世代とは違う感覚で創ってもらいたいとの思いを込めて...いやいや、後味の良い芝居に仕上がっていました。若い役者のピュアな感性が嫌みなく表現された青春ドラマ。通俗的だと言えばそうだが、この混沌とした世界の状況の中、ましてやマスク生活で正常なるコミュニケーションがままならない昨今、青春真っただ中でひたむきに生きようとする姿はとても爽やかで勇気づけられる芝居だと思います。

長いこと芝居に携わっていると、いつのまにか自分の演劇観が固定化される傾向があります。要するに自分はこんな形の芝居を創りたい!何事も核になるものは必要なのだが、あまりにもその核に拘り過ぎて自縄自縛状態になるケースを何度も観た記憶があります。

創っては壊し、又新たなことにチャレンジしていくことが表現者としては理想形なのだが、一旦手にしたものを手放したくないのが普通の人間でございます。

今回の芝居も、おいらがこれまで創った芝居とは随分かけ離れた芝居だと思っていましたが、所詮、テイストは違えども、伝える側の志し次第で、どんな観客にも届けられる演劇として成立するものだと改めて納得できました。今回の作・演出、なるせゆうせい君とは27年前に彼が学生だった時に出逢いトム・プロジェクトの第一回新人公演を任せました。その後、彼も自分の会社を立ち上げ作・演出・監督としてこの業界で活躍しています...おいらにとっても久しぶりのなるせ作品。昨日見た段階で、その後の彼の切磋琢磨の時間を垣間見た感じがしてなんとも感慨深いものがありました。

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こちらも満開です

2023/03/13
【第1728回】

先週の木曜から昨日まで、この国はWBCの話題で盛り上がっています。おいらも全試合TVで見ましたが侍JAPANは強い。栗山監督の勘がズバリと当たりましたね。その大ヒットはラーズ・ヌートバー選手を入れたこと。まだまだアメリカでも未知数の選手であったのだが、走攻守すべてのおいて優れているうえに彼の人間性を見抜いたことが大きい。その彼をトップバッターに持ってきたのがまさしく大ヒット。ファーストストライクから果敢に打っていく積極性が他の選手にも乗り移り連日の大量点に繋がっている。2番バッター近藤が上手くつなぎ、待ってましたの大谷とくりゃ、そりゃ勝ちますがな。村神様は不振だが、そのあとのクールな吉田がこれまた打ちまくるんだから相手の投手はお手上げ状態でございます。それに比してJAPANの投手陣は粒ぞろい、このグループでの全勝は当然の結果かな。今回対戦したチームで好感度を持てたのがチェコ。この国の選手は野球の他にも仕事を抱えながらのプレー。大したもんでございます...佐々木朗希投手の剛速球を足に当てられ七転八倒してた選手が不服そうな顔もせず元気に立ち上がりプレーを続けたシーンは球場全体大きな拍手が送られてました。それに反して、韓国戦で、ヌートバー選手が背中に球を当てられたのに韓国の投手は帽子を取って謝りもせず逆に死球を食らった選手に歩み寄る有様。こんな仁義に外れたことしてるから韓国は一次リーグで敗退も至極当然でござんす。

このあとのヌートバー選手のインタビューがユーモアあふれて笑っちゃいました。背中にボールを当てられたことに対し「丁度、凝ってるところに当たったので良かったです...」このジョークをすんなりと喋れるこの選手こそが一次リーグのMVPでしょうね!

連日の試合の最中、東日本大震災後12年目にあたる3月11日がやってきました。まだ避難している人が居て、故郷に戻ることをあきらめた人が居て、事故に遭った福島第一原子力発電所の行く末もわからず...こんな状態なのに、この国のリーダー、原発の再稼働を追加で目指す方針や次世代原子炉の開発・建設の検討など原発政策を前に進めようとしています。

こんなリーダー、政権、だれが選んだの?野球ばかりに気が行っちゃってると、この国とんでもないことになっちゃいますよ皆の衆。

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もう、こんなに咲いちゃいました
~新宿東南口~

2023/03/10
【第1727回】

今日は勿論、昨日のショウタイムを書かねばならないでしょう...なんとTV41.9%の視聴率。そりゃ観るでしょうね、あの大谷翔平が投げて打つんですから。この日は朝の5時からドーム前でグッズの争奪戦で長蛇の列。これも16番のユニフォームが一番人気。このユニフォームを着て観戦するのが夢だったという人が溢れかえった一日でした。その期待に応えて投げては4回まで1安打無失点で抑える好投。打つ方でも4打数2安打2打点、こちらも申し分ない成績でした。これだけのプレッシャーのなかでも、いつものさわやかな表情でプレーする大谷、ほんまに世界の大谷ですわ!野球界に留まらず、アスリートとしての彼の存在は絶大なるものがあります。驕らず、謙虚に、爽やかにプレーする姿に誰もケチが付けられない選手もそうそう居るものではございません。

なんとも重苦しい中国戦でしたが、牧のホームラン、代打山田の追加点につながる一打で一気に日本の流れにしてしまいました。おいらなんぞは、この一戦10対0くらいで勝利すると思っていたのだが、なんと意外に中国も強かった。この大国いずれにしても末恐ろしい潜在力を持っている。中国の宣伝のためなら人とお金はとことん注ぎ込む全体主義。アメリカから来た老監督の佇まいが妙に可笑しかった。

今日は韓国戦、昨日オーストラリアに負けただけに、必死の思いでくるだけに恐い気がする。

先発のダルビッシュ、DH大谷の活躍を皆が楽しみにしているに違いない。だが、一つ狂い始めると何が起こるのかわからないのが勝負の世界...どうなりますことやら?

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新宿東南口に咲いた
タカトオコヒガンザクラ

2023/03/08
【第1726回】

庶民は怒ってます...この物価高で多くの国民が悲鳴をあげているのに、2月27日に参院運営委員会の庶務小委員会で麹町議員宿舎の家賃が月額2568円減額した8万9642円になることに反対したのは日本維新の会の一人だけと言うんだから腹が立つ。いつもは威勢よく反対をぶち上げてる共産党、立憲民主党もこの時はだんまり。民間ならば家賃相場は50万円から55万円という相場なのに政治家先生だけがいい思いをしてるとしか言えない。給料の他、月65万円の立法事務費などをひっくるめると年収は約4000万円といわれている。これらが必至豆炭に生きている庶民の血税から支払ってると思うと更なる怒りが増してくる。金額に見合った仕事せんかい!ちんたらちんたらした仕事ぶりを見てるとこの国の未来はありまっせん...異国の地で給料泥棒してるなんたら議員にも完全に持て弄ばれこの機に及んでようやく除名する始末。この際、除名に値する議員もわんさか居るんで一緒に辞めさせたら庶民の皆様もスッキリ致します。

今日の東京は4月並みの暖かさ、コートを脱ぎ捨てる感覚は実に気持ちが良いもんでございます。この気温が続けばサクラの開花も早くなりそう。この時期、桜のつぼみを覗くのもなんともいえないトキメキを感じます。そして野の花が肩を寄せ合い春の会議をしているさまがこれまた可愛いもんでございます。

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春の会議

2023/03/06
【第1725回】

日一日と春が近づいています...トム・プロジェクトもこの春の知らせに相応しいニュースが飛び込んでおります。3月1日の大和田獏さんの所属に続き、今日は村井國夫さん所属の発表です。お二人とも、おいらが説明することなくみなさんご存じの方です。獏さんとは「萩咲く頃に」に初めて出演していただき、役者大和田獏の魅力を存分に発揮していただきたいとの思いから、その後「Sing a Song」「モンテンルパ」に出演依頼。どのシーンにおいても舞台をきっちりと締めていく技量、そして心ある演技は観客の多くが納得済み。

村井國夫さんと言えばミュージカル俳優。「マイ・フェア・レディ」「レ・ミゼラブル」は今でも伝説の舞台として語り継がれています。そしてあの声、ハリソン・フォード、ジェラール・ドパルデューの吹き替えはあまりにも有名です。そんな村井さんに、情けない九州のおじさんの役をやらせてみたら面白いんじゃない?という発想から「満月の人よ」に出演していただきました。この芝居での脱力しっぱなしの役者村井國夫においらもびっくり、今までミュージカルを観てた人も驚愕したに違いありません。その後、「砦」「芸人と兵隊」「にんげん日記」と出演していただきました。

トム・プロジェクトも今年から新体制でスタートしています。第二次トム・プロジェクトを創り上げるためになんとも心強いお二人が入ってくれたと思ってます。

これからのトム・プロジェクトの芝居、ますます目が離せませんな...

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春だね!ハナサフラン

2023/03/03
【第1724回】

今日、嬉しいニュースが入ってきました。博多で芝居をやるときにいつもお世話になっている気象予報士の吉竹顕彰(よしたけあきら)さんが、放送事業の発展や放送文化の向上に功績のあった人たちに贈られるNHK放送文化賞を受賞しました。芝居関係では脚本家で演出家の三谷幸喜さん、俳優の吉行和子さんも同時受賞。実はおいらとは従妹関係なんですよ。思い起こせば、おいらが博多で初めてテント芝居に出演した時に、当時九大の学生であったあきらちゃんを、今は無き六本松の名物スナック「ひろ」に連れて行ったことを鮮明に覚えています。その後、地元で30年以上にわたってNHK福岡の夕方のニュース番組に気象キャスターとして出演し穏やかな語り口と飾らない人柄で親しまれていました。一方、災害時には連日、緊急ニュースに出演し、詳しい状況を伝えてきました。2017年の九州北部豪雨の際には、レーダーの雨雲の様子から線状降水帯の危険性を察知し「命を大切にして下さい。それに大変危険な状況です。すぐ避難をして下さい」と呼びかけ気象予報士による「命を守る呼びかけ」の先駆けとなりました。

あきらちゃん、トムの博多公演には夕方の番組終了後に韋駄天の如く毎回駆けつけてくれました。終演後、あきらちゃんを含め仲間と一緒の飲み会も博多公演の楽しみの一つでもありました。

前回にも書きましたが<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>あきらちゃんも間違いなくその一人だと思います。

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今日の空模様

2023/03/01
【第1723回】

今日から待ちに待った弥生でございます。昨日に続き、今日も東京は春の陽気です。冬のコートを脱ぎ、春の装いで颯爽と歩く若者の姿を見るにつけ、もうすぐ春ですね♪てな嬉しい気分になっちゃいます。

でも、この3月は忘れてならない東日本大震災が発生した月でもあります。もうすぐ12年になりますが、この国がこれから先も忘れてはならない3月11日がやってきます。

先日、新聞でこんな記事が掲載されていました。

 

「モンティ先生」陽気な米国人先生は子供たちから親しみを込めてそう呼ばれていました。アラスカでの少年時代に両親を亡くした彼は、教師が一人一人の子供たちと長く付き合うことの大切さを大事にしていました。「将来は日本と米国の懸け橋になりたい、人の役に立つ仕事がしたい」という思いで外国語指導助手として2009年に岩手県陸前高田市にある米崎小学校に赴任してきました。校外でも、近所の住民とお茶会を開いたり、居酒屋に飲みに行き交流を深めていたそうです。2011年3月11日は彼にとって米崎小での最後の授業、副校長から一つのお願いをされました。それは司馬遼太郎が1980年代、日本の未来を憂いて小学生の国語教科書に書いた「洪庵のたいまつ」。その一説を子供たちに英語で紹介したいと英訳を頼まれました。<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>彼は快く引き受け、サラサラと英訳を書きました。その後、授業終了を報告するため市教育委員会に向かいました。その約1時間後の午後2時46分、陸前高田市を震度6弱の地震が襲い津波が押し寄せました。市教委の入った建物は津波にのまれ教育長、次長も流されました。後日、彼も遺体で見つかりました。

あの日受け取った英訳の紙片は職員室の机の上に残っていました。その後、来日した遺族に遺品として渡したが、副校長は教員を定年退職した今も、紙片のコピーを大切に保管している。<世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない>これは26歳で亡くなったモンティことモンゴメリー・ディクソン、あなたのことですよ...

 

この不穏な時代、一日一日、生かされてる者にとっては大切なことであることを改めて思い知らされる記事でありました。

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弥生