トムプロジェクト

2025/02/07
【第1995回】

昨日で4ステージ無事に終えることが出来ました。概ね好評でホッとしていますが、芝居の捉え方は人それぞれ、ラストの締めくくり方が今の沖縄の現状を鑑み楽観的では無いかとの意見も当然あることでしょう...確かに歴史を振り返ってみれば、明治維新の際に琉球処分で統合された沖縄県で当時の言論人である伊波月城が教育を始めとする沖縄人蔑視を巡り政府を批判。本土での大正デモクラシーと共鳴し列強に脅かされていた中国、インドと連帯しアジアでの民族覚醒を呼び掛けた過去がある。

ただ見ての通り、沖縄はいままさにアジアでのチカラによる分断の最前線にある。敗戦後未だなお在日米軍基地が日本全体の70%を占め、なおかつ自衛隊の配備が着々と進められている。この中からどうアジアの可能性を見出すかが大きな課題でもある。アメリカ、中国、ロシアが大量の核を保有し身動きが取れない中、小国や限られた地域の当事者が今の状況を変えていくことが出来ないか...沖縄の人達は、戦争が起こればどんな悲惨な状況になるかは身に染みてわかっています。だとすれば、いかなる攻撃も許さないよう沖縄から非武装地帯を拡げていくなんて構想もありだと思います。

こうやって沖縄の芝居を上演していると、沖縄の知らざる歴史を探索したくなります。なんでも諦めてしまえば終わりです。だってほとんどの日本人が沖縄の今の姿に、許せない!と思いつつもそれ以上声をあげようとしません。沖縄の問題は対岸の火事ではございません。

見て見ぬふりしてると、そのうち大やけどしちゃいますよ。

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童子を待つ公園

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