トムプロジェクト

2025/01/31
【第1992回】

来週2月3日より公演の「おばぁとラッパのサンマ裁判」の稽古場に行って参りました。衣装つけての熱気溢れる1時間40分。とにかく沖縄の熱い風が流れとても心地よい舞台になりそうな予感がしました。おいらもこれまで随分と沖縄に関する芝居を観てきましたが、どうしても戦中戦後を通じて当然のことながら沖縄の虐げられた現状に対する怒り、悲しみに焦点が当てられ重苦しい舞台が圧倒的に多かったような気がしました。

今回の芝居は、庶民のささやかな食であるサンマをきっかけに話が展開するのだが、何故か明るい。沖縄の人達が最も大切にしている陽なる気質が全面に押し出され、観てる側もなんだか応援団の一員になってしまう展開。それは、今回のキャストの醸し出す表現力の確かさがそうさせてるに違いない。勿論、戯曲、演出の手腕があってのことだが。

いつもながら、芝居の稽古は一筋縄ではいかない。稽古を重ねるごとに台詞の変更もあり、積み重ねたものを壊しては再度創る日々の連続である。まして今回の舞台は沖縄、方言をマスターしていくのもなかなか至難の業である。あの独特の沖縄の言葉のニュアンス次第で芝居も大きく変わっていく。そうした稽古の集大成として初日を迎える。そして観客に対峙してまた新たな発見を見いだし更なる進化を遂げていく...だから芝居は面白いのだ!

1992.jpg

冬の公園

<<次の記事 前の記事>>