トムプロジェクト

2025/01/17
【第1986回】

今日は阪神・淡路大震災から30年、各地で追悼式典が行われていました。当時代々木に住んでいたおいらは、この日早朝の出来事は良く覚えています。戦争を知らない世代にとってはかなり衝撃的なことでした。その後、東日本大震災、そして昨年元旦の能登半島地震、いつどこかでこの規模の地震が起きてもおかしくない時代になりました。地震だけではありません、気候変動による度重なる災害。本当に地球が危ない!なのに止まぬ戦争、正直言って未来への明るい展望が見いだせない世界の現状。

今日も式典で、知事の発言、役人が書いたであろう文章を読んでいましたが、この知事に限らず政治家も含めて真剣に災害対策に取り組んでいるとは思えません。その一番良い例が原発再稼働の動きです。震災で未だ住めなくなった福島の町や村の現実を忘却の彼方に消し去ろうとする姿勢に怒りさえ覚えます。この国の30年、大企業優先の利益優先の政策を実施したにもかかわらず国力は衰退し、そのしわ寄せを庶民が負う、なんとも納得できないことばかりです。

こんな時は、松下竜一さんの「暗闇の思想」を読んでみると良い。「自分よりも弱いものを犠牲にしてまで恩恵を受けることに、何の価値があるだろうか。」この言葉に松下さんの一貫した思想が込められている。トムでも松下さんの原作を基にして2本芝居を創らせて頂いた。「環境権」いう言葉を旗印に反戦、反核、反原発へと草の根レベルでの活動を続けながら、地元中津を拠点に多くの記録文学を残しました。時折、おいらの本棚に並ぶ松下竜一さんの著作を手にしながらまだまだ諦めるわけにはいかないと励まされる日々であります。

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冬景色2

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