トムプロジェクト

2024/12/25
【第1980回】

久しぶりに今年4月に78歳で亡くなった星野富弘さんの詩画集を開いてみた。星野さんは体育教師だった24歳の時に大怪我で首から下が麻痺してしまう。以後、つきっきりで介護してくれる母に対して絶望から怒りを持つようになったそうだ。そんな折に生きる意味を教えてくれたのが、それまで何の関心もなかった道端にひっそりと咲いていた野花。

 

「この花は この草にしか咲かない そうだ 私にしか できないことが あるんだ」

 

その日から星野さんは、口にくわえた筆で四季折々の花々を描き言葉を添える。初めてできた時には、絵そのものより希望という言葉が全身を覆いつくしたそうだ。彼の詩画を見るたびに感じることは、そこに人間の限りない強靭さと優しさ。小さな命を愛おしみ、目に見えぬ何かに感謝する姿。

 

「神様がたった一度だけ この腕を動かして下さるとしたら 母の肩をたたかせてもらおう 風に揺れる ぺんぺん草の実を見ていたら そんな日が 本当に来るような気がした」

 

五体満足な身体を備えていながら日々ブツブツ文句たらたらこぼしている人たちに星野さんの本を一読してもらいたい。

今日はクリスマス。あちらこちらで楽しく過ごしている様子が目に浮かびます...この日にも戦禍に追われ安住の地を求めている人、飢餓に苦しんでいる人達のことを忘れないで欲しいと願っています。

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Merry Xmas

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