トムプロジェクト

2024/12/09
【第1973回】

昨日は、新宿浪漫房にて唐十郎をしのぶ...「さすらい」に出席しました。唐さんに触れあった90名ばかりの人達が、数々の武勇伝を持つ唐さんの話で盛り上がっていました。嵐山光三郎さんの乾杯の挨拶から始まり、次は麿赤児さん、そして状況劇場で女形を務め人気を博した四谷シモンさん。一番面白かったのは篠原勝之さん、新宿ブラブラしていたら唐さんに声をかけられポスター、美術を担当させられたらしい。ギャラはもらえなかったけど人生のなかで最も充実した6年間だったらしい。皆さん共通していたのは、お互いがお互いに変な奴を探していたと言うことだ。決まり切った人生ではなく、とてつもないリスクがあるにも拘わらず、おもろいことをやったろう!と言う気概を全面に出しながら夜毎新宿の街をふらついていた...おいらもそのひとりなのだが、それはそれは1970年前後の新宿の街は猥雑でありながら夢と浪漫と冒険心を育む絶好の場所であり、変わった輩探しの日々でもありました。

そんな中で見つけた新宿花園神社での状況劇場紅テント公演は衝撃でした。既成概念をぶっ飛ばす特権的肉体を持った役者の氾濫、テントの空間に飛び交う詩的言語、ラストには舞台後方のテントが取り外された向こうに見えるのは車と人が行き交うリアルタイムな新宿。まさしく虚と現実を一瞬に交差させる唐マジックに酔いしれてしまいました。

唐さんは亡くなりましたが、唐さんが生涯変わることがなかった演劇に対する姿勢は、今活動している演劇人にとっても大きな指針になっていると思います。

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おつかれさまでした

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