2024/12/04
【第1971回】
今日は、アフガニスタンで医療支援や灌漑事業を進めてきた「ペシャワール会」の主宰者であった中村哲医師が、現地での支援活動中に銃撃され命を落とした日です。その日からはや5年が経ちました。異国の地、しかも後進国の劣悪の環境の中で身の危険をものともせず活動している人達には本当に頭が下がります。中村哲さんが「目の前に困っている人がいたら手を差し伸べる。それは普通のことです」と平然と言葉にして実行に移す。これがなかなか出来ないのがこの世の人達です。哲さんみたいな人達が織りなす政治、行政であればこの国も少しはましになっていたかもしれませんね。
もともと神経内科医だった哲さんは1984年に福岡の病院からペシャワールの病院に赴任。難病だったハンセン病患者の治療に奔走した後、現地に診療所を設立。その後、米国による対テロ戦争で現地も治安が悪化、2003年からは大河の水を引いて渇いた大地を潤す「緑の大地計画」に着手。「ペシャワール会」の会員であるおいらの所にも、緑豊かに変貌した写真が送られてきます。哲さん自身がブルドーザーを操作し、シャベルを手にして乾いた大地を掘り起こす写真を見るたびに勇気を頂きました。
おいらと同年齢、哲さんの志を引き継いでなんとか少しでもこの国を、世界を心豊かにしていきたいと思っています。
おいらの仕事場の机の前には、友人である書家井上龍一郎が描いたカレンダーがあります。12月の言葉は「かつて忌避された死の荒野が豊かな草地を生み、遊牧の群れが続々と集まってきます。この光景の中に平和があります」
アンネのバラとメタセコイア