2024/11/29
【第1969回】
先日、ギャラリー桜の木銀座にて、スペインを拠点に活躍する抽象画家・小林海来による6年ぶり3回目となる個展に行ってきました。ミライ君との出会いは44年前です。スペインを放浪しているときに、当時マドリッドに住んでいたグラシアス小林家を訪ねた時です。まだ確か3歳だったと思います。おいらがマドリッドのマヨール広場でインチキ大道芸を踊っている時には、投げ銭集めにも協力してもらいました。父親であるグラシアスさんとしては、愛するわが息子に何てことをしてくれるんだ!と怒りにも近い感情を持ったそうだ...弁解がましい言い方になりますが、おいらが頼んだのではありません。おいらの命懸けの踊りに少しでも力になりたいという優しさがそうさせたに違いありません。お客の投げ銭を集める姿がより観客の同情を呼び、思わぬお金を手にしてその後の旅を豊かにしてくれました。ほんまにグラシアス!
その後、ミライ君はスペインの風土に上手く溶け込みながらも、日本人としてのアイデンティティを忘れずにプロの絵描きとして活躍しています。今回はイタリアの彼女と一緒に来日したそうな...今回の個展も小品から大作まで、不思議な感覚に誘ってくれる絵画が展示されて嬉しくなりました。お父さんのグラシアスさん共々、スペインの自由奔放、遊び心満載の人生を過ごしていくという実に羨ましい生き方を体現しているのではないでしょうか。
久しぶりの銀座、この街のメイン通りも外国資本のブランドの店ばかり。昔の落ち着きのあるお洒落な銀座が懐かしゅうございます。
思索の旅