トムプロジェクト

2025/02/12
【第1997回】

いやいや演劇三昧、怒濤の日々の連続でございました。トムの「おばぁとラッパのサンマ裁判」が3日から9日まで7ステージ、10日は浅草九劇で昼間に「日の丸とカッポウ着」、夜は吉祥寺シアターで「女性映画監督第一号」、11日は座高円寺で「おどる葉牡丹」を観劇。こんなに毎日芝居観てると好きな芝居も嫌いになりますがな(笑)勿論、演じる方はもっと大変でしょうが観るエネルギーも相当な覚悟がいります。後期高齢者となれば劇場の椅子の質によって腰の負担もかなり厳しくなってきます。小劇場系統の席は大劇場のゆったり高価な椅子と違って、パイプ椅子同等のものが当たり前で時折身体の位置を変えねば固まってしまい劇場を後にする姿は見るも無惨な歩きとなってしまうという方もございますことよ。

今回、全体的に感じることは若い役者さん皆器用に演じてることにビックリしました。確かに上手い、隙がない、達者である...でも、いまひとつこちらにその演技が響いて来ない。今の若者の生活環境からきていることは紛れもない事実だ。あらゆるジャンルの音と映像に囲まれ、様々な情報を手っ取り早く仕入れ、なにひとつ手に入らないものがないという便利さが器用さに繋がっているのでは...不便極まりない時代のなかでの俳優修業を強いられた者は、その足りない分野を埋め合わせるために想像力を感興しながら駆使したに違いない。

昔から不器用な役者ほど、何とも言いようのない存在感を示していたような気がする。そんなに早く上手さ器用さを求めるな!己の固有の心身に無駄なモノこそ引き受け、十分に咀嚼、熟したものを表現して欲しい。

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浅草路地裏からのスカイツリー

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