2026/03/23
【第2158回】
先週の週末は、東京芸術劇場にて劇団印象「藤田嗣治~白い暗闇~」を観劇。日本でも人気のある藤田嗣治の人生のなかで、乳白色の肌という独自の技法を確立し成功したパリ時代(1913年~29年)と、日本に帰国後、トレードマークのおかっぱ頭を丸刈りにし、軍部の協力要請に従って『アッツ島玉砕』等の戦争画の創作をしていく太平洋戦争時代 (1938年~45年)を取り上げた評伝劇。今年で藤田嗣治生誕140周年にあたるそうだ。
思い起こせば、戦争中に軍部の意向に沿い協力した芸術家は多数にのぼる。当時の趨勢からみても、軍の意向に背けば即思想教育の名のもとに逮捕される状況に置いて逆らうことは出来なかったのでは...中には強固な思想、信念を貫き通し命を落とした人達も少なからずいたことも事実だ。戦後、戦争協力者として生き長らえるしかなかった芸術家の葛藤は壮絶な日々であったに違いない。多くの人達も絵画の前に立ち、その本人の過去の歩みを鑑みながら様々な思いを持つに違いない。はなから戦争協力者として、どんなに芸術性が高い作品でもあっても否定する人。あの過酷な戦火の中、命あっての作家であることに共感し、様々な思いを巡らせながら作品に対峙する人。
どんな作品であろうと表現されたものにはその人の人間性が間違いなく加味されている。作品を鑑賞してから人物像に迫る楽しみ方と、人物に興味を抱き作品に向かう人...アートにはいろんな楽しみ方があるのでございます。

今年も咲きました

