2026/10/19
【第2241回】
先週の週末は吉祥寺シアターで、あやめ十八番第十九回公演「三英花煙夕空」タイトルからしてなんだろうなんて思いますよね。<さんえいかけぶるゆうぞら>って呼ぶんです。ここからして曰わくありげな仕掛けたっぷりです。この劇団、昨年初めて観て、なかなか面白いことに挑戦してるなと気になっていました。古典な世界にモダンなものを持ち込み、エンタメ性もたっぷり盛り込みながら貧乏たらしなく絢爛豪華に展開していく様に正直お金どこから出てるのかしら?とプロデューサー目線で観ていました。
今回も芝居が始まる前に、舞台に飾った舞台美術を一般観客に解放しまるで美術館の様相を呈していました。芝居の内容も骨董商を主人公にした話、ミステリアスな流れにナマの不可思議な音楽と能舞台を思わせる役者の動き...前回の芝居と比較すると少し高尚な感じがしたのだが参加者全員がより斬新で画期的な作品を生み出そうとする意気込みは十分に感じられました。
演劇において美術が果たす役割は、芝居の性質を百八十度変えるくらいの大きな要素でもある。1960年代から70年代、演劇の大きな転換点であったアングラ芝居。新宿花園神社にテントをぶっ建てて生活の匂いを残した廃材で装置を組み立て、ラストにはテントを開け放ち神社の借景を取り込む手法で話題を呼んだ「状況劇場」。芝居のポスターにはまだ無名であった横尾忠則を起用し観客の好奇心を煽るには充分であった。そして前衛的な美術ともに演劇実験室を標榜した「天井桟敷」などなど。
今回の芝居は、まさしく現代アートと演劇のコラボレーション。こうやって何事にも恐れることなくチャレンジ精神溢れる演劇人がどんどん出てきて欲しいと切に願う次第でございます。

開演前の舞台

