トムプロジェクト

2017/12/14
【第1034回】

一昨日、久しぶりに名古屋に行ってきました...名古屋在住の劇作家北村想さんと会うのが目的です。想さんには、1997年に戸川純ひとり芝居「マリィヴォロン」で作・演出をして頂きました。それは、それは、本当に素敵な芝居でした。純ちゃんの魅力を存分に引き出した夢のような純文学作品ではなかったかと今でも思ってます。想さん、最近も精力的に新作を世に送り出しています。体調も良く、食事とお茶しながら昔話も含めて楽しい時間を過ごす事が出来ました。帰京するまで少し時間があったので、懐かしい大須観音に向かいました。名古屋の中でもレトロ感溢れるおいらが好きなところです。まず向かったのは七ツ寺共同スタジオ、ここは若かりし頃「走狗」「燐光群」で芝居をやったところです。宿泊も兼ね備えたところで、芝居がはねると飲み会が始まり、ほろ酔い加減ですぐさま寝れるのがよかところです。今は地元の劇団が常時公演をしてるみたい。商店街を歩いて感じたことは、昔のようにがらくた市をやってる店が少なくなり、若者向けの古着屋が多くなっていました。この街の魅力は、メインストリートからひょいと小路に入れば、粋な店が見付けられると言うこと。ありました!文殊小路を入ったところに11時~21時まで営業している日本酒バーがありました。その名は「木花咲耶」京都出身の24歳の爽やかな青年が店長、お客は2日前に結婚したばかりの24歳の女性と、友人である20歳の女性。ついつい話が弾み店長おすすめの辛口日本酒2杯飲んじゃいました。暫し、新宿ゴールデン街で飲んでる錯覚に陥ってしまいました...見知らぬ街で、見知らぬ店と、見知らぬ人と出会うのが旅の楽しみであり醍醐味であります。この日も、その思い出をおいらの引き出しに仕舞い、夕刻の新幹線に飛び乗った次第でございます。

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大須観音

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七ツ寺共同スタジオ

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文殊小路

2017/12/12
【第1033回】

先週の金曜日から昨日までなんと5本の芝居を観ました...金曜日は風琴工房「ちゅらと修羅」沖縄の苦難の歴史を、あの手この手で表現しているのであるが今ひとつこちらに上手く伝わらなかったのでは?土曜日は劇団チョコレートケーキ「熱狂」「あの記憶の記録」の2本立て、5年前に上演された作品で、今回が再々演。この2本の作品は、ヒトラー率いるナチスとユダヤの民との対をなす作品なのだが、何度見ても観客の心に十分訴えかける内容を持っている。異国のことであり過去のことであるのだが、今の日本の状況に呼応しているところが演劇的である。芝居の魅力は今まさにリアルに、生身の人間が演じるところに魅力がある。若い役者がひるまず精神と肉体をぎりぎりまで追い込んで表現する様は実に清々しい。日曜日は、水戸芸術館ACM劇場プロデュース「斜光」戦後最大の誘拐事件と言われる「吉展ちゃん誘拐事件」(昭和38年発生)を題材に刑事と犯人との取調室でのやりとりを緊迫感溢れる手法で描いた作品。作家は劇団チョコレートケーキの古川健...いやいや今年はたくさん書きました。と言うより執筆依頼が山のようにきて大変な年だったと思います。もはや人気劇作家。多忙で作品が荒れないかと心配さえしてしまいます。昨日は青年座の「断罪」中津留章仁が老舗の新劇団に書き下ろした作品。芸能事務所を舞台にしているのだが、そこは中津留作品、日本の闇の部分を織り交ぜながら社会派作品に仕上げています。

4日間でこれだけの作品見ると、さすがに疲れますな。お尻を何回もずらしながらも、何とか堪え忍び怒濤の観劇会を終えることが出来ました。それにしても東京は凄い!日々、あらゆるジャンルの芝居が果てしなく上演されてるんです、が、くれぐれも嗚呼来るんじゃなかった!時間とお金返して欲しい!なんて事だけは避けてくださいな。衰えていく心身が加速度的にガタガタになりますばい...怨劇だけは許してくんろ。

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師走の公園

2017/12/08
【第1032回】

久しぶりに浅草に行って来ました...観光じゃありませんことよ。先日、「東おんなと京おんな」の演出をした田村孝裕さんが主宰しているONEOR8の新作「グレーのこと」を観に行ったんでございます。おきまりの雷門の門をくぐり仲見世通りを歩いたのだが、18時半ともなるとほとんどの店が店仕舞いでお客もまばらでございました。そのほとんどが中国、韓国の人達でした。この商店街今、大変な騒ぎになってるそうな。来年1月から家賃が16倍、仲見世通りにある89店の家賃の平均は月2万3000円それがいきなり16倍の約37万円となれば、ほとんどの店はやっていけませんがな。東京都と浅草寺の揉め事が商店街の人達に波及したというわけだ。小池のおばさんしっかりしてよ!それにしても、浅草すっかり変わってしまいました。古き良き浅草の香りがほとんどなくなってしまったという感じ。新しいビルが建ち並びどこにでもあるようなお店が入った浅草は浅草じゃないでしょう...おいらも40年前、まだかろうじて浅草がまだ健在の頃、テントを張って芝居をしました。芝居が終わりテント内で打ち上げをしているとき、突然テントが燃えだし、おいら咄嗟に火の手が上がったテントの最上部に上がり火を消した途端、落下してしまいました。運良く怪我もなく一件落着。火元は、当時この広場に住んでたホームレスのおっちゃんが、自分の居場所を奪われた腹いせに火をつけたそうな...そんな昔話もあったとさ。

芝居は田村孝裕さんの環境の変化を思わせる内容でした。結婚し子供も授かったことにより作風も変化したような気がします。もともと才能のある作・演出家ですから今後の芝居も期待したいものです。ちょいと一杯ひっかけて帰りたいところでしたが、なにせ開演19時半、終演21時半、おいらの家は杉並区。なんとなくそんな気にはなりませんことよ。やはり歳とっちまったのかな...良いのか悪いのかわかりませんがね。

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夜の浅草

2017/12/06
【第1031回】

昨日、久しぶりにニーナシモンのCDを聴いた...14年前に70歳で亡くなったアメリカを代表するジャズシンガーである。「ソウルフル・アンソロジーRCAイヤーズ」の中のwhy?(キング牧師は死んでしまった)はたまりません...この曲を聴く度に当時学生運動に傾倒し挫折していった友人のことを想い出します。新宿のデモの帰りに倒れ込むようにおいらのアパートにきた彼に、僅かな食事と安ウイスキーを提供し慰め励ました記憶があります。その当時、おいらはLPレコードの蒐集をし始めJAZZのLPも数枚持っていました。心身ともに困憊状態である彼に癒しの一曲と言うことで、このwhy?に針を落とした次第です。その当時、人気と実力の絶頂期に、マーティン・ルーサー・キング・Jr.を中心とする黒人公民権運動、さらにより過激なマルコムXやストークリー・カーマイケルらの運動に傾倒していくと同時に、メインストリームの音楽シーンから忌避されていったニーナシモン。彼女の心境と運動に疲れ壊れていく彼の姿が重なったかもしれません...

曲と人生がオーバーラップするほど、一枚のLP、CDは人生の伴走・伴奏者でもあります。数あるなかから、ふと手にしたアルバムから、過去の記憶がまるで走馬燈のように蘇ってくる音楽のチカラは半端じゃありません。確かに、音楽はいつだって世界のあらゆる人々の心に訴える、最も強力な言語かもしれませんね。

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街はクリスマス一色

2017/12/04
【第1030回】

いやいや、インフルエンザワクチン騒動も収まり週末は久しぶりに劇場に足を運びました。

トム・プロジェクトでもお馴染みの作・演出家ふたくちつよしさんの作品「あした天気になぁれ」。設定は4台のベッドが並ぶ病室でのお話し。患者さんのそれぞれの人生模様を、ふたくちワールドで描いた心温まる作品。確かに病んだ人達が入院している場所はドラマの宝庫。そこにどんなメスを入れるかは作家の腕の見せ所なんだが、ここは常に家族というキーワードを基に、人間に対する心情溢れる愛情を描き続けてきたふたくちさんの真骨頂が溢れんばかりの芝居でした...それだけに演じる役者の抑制力が大切なんですが、何人かは声優を主にしているせいか、声に頼っちゃうんですね...でも、全体的に気持ちの良い芝居でございました。

昨日は、大学ラグビー伝統の一戦、早稲田対明治の一戦をテレビ観戦。今や大学ラグビーは帝京大学が一人勝ちの時代になっちゃいました。嘗ては、この時期の伝統の一戦は旧国立競技場のスタンドを超満員にしてラグビーファンを魅了したものでした。1987年の雪の早明戦は壮絶な試合でした。雪の中どろんこになりながらぶつかりあう30人の肉弾戦は、まさしく鍛え抜かれた男たちのドラマでした。おいらは、野球と共に、このがちんこで闘う男の競技ラクビーが大好きです。サッカーみたいに一喜一憂しない姿も好感を持ちますね。命を賭けた男の荒ぶる姿は感動します!今の大相撲は残念ながら見せ物ですね...それにしても、あれだけ身体をぶつけながら、よくまあぴんぴんしとりますな。ただただ驚くばかりでございます。

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本日、新宿の紅葉

2017/12/01
【第1029回】

この歳で初めてインフルエンザワクチンなるモノに挑戦しました...ところがどっこい水曜日の夜中から吐き気を催し、食欲全くなし2日間寝込んでしまいました。普段、薬を飲まないおいらの純潔な身体に異物が侵入し異変をおこしたんじゃないかしら?とおいらは勝手に想像してるんですが、調べてみると、そんな例は確かにあるそうな。そう言えば、この国は薬漬けでなんとか健康を維持している気がしてなりません。病院はいつも満杯、それに付随してお薬は山ほど出してくれるし病院、薬品会社はほくほくもんですわ。これでは国も医療費対策に頭を抱える状態。こんな社会にしたのも人間様の過剰な欲望が生み出したものでございます。そんな過酷なばい菌だらけの環境の中、おいらはささやかながら自主防衛として心身を鍛えたお陰で薬とは無縁の中で過ごしてきました...そんな身体が、今回はびっくりしたんでしょうね。でも、おいらはここでプラス思考に転じます。2日間もゆっくり寝込んだ日を与えてくれたことに感謝です。酒も飲まず、食事もせず身体を浄化させるいい日だったに違いありません。こんな日は何も考えず、日頃あまり見ることのないテレビを見ますと、大相撲の暴行問題やら国会の予算委員会。どちらもなんだかどーたら、あーたら、いろんな人が出てきて勝手なことを喋っとりました。それにしても予算委員会でのアベカワモチのモチッとした顔、アソウセメントのセメントで固めたニガリ顔、どうみても喰えませんがな。何とかしてちょうだいな横綱と政治家の品格。

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今年も仲良く

2017/11/28
【第1028回】

このところの気候の変化には身体がついていけません...人間ばかりではなく地球上のあらゆる生物が戸惑い驚き、その対処に困っているのではないかと思います。この季節、紅葉の美しさに目を奪われ、暫し樹々を見上げそのバックに映る空の表情とともに自然が織りなすショーに魅入る日々が多いのだが、この天候不順で肩すかしを喰らう日も多い。黙して語らぬ木々達も、人間どもの文明、発達の名のもとに飽きることなく繰り返す環境破壊に呆れていることでしょう...関西電力大飯原発3、4号機について福井県の西川一誠知事が27日に再稼働に同意。こんなことが堂々と平気に報道され、既成事実として世間にまかり通るなんて、この国なんてなんなんでしょうね。アメリカの顔を伺いながら国を治めるこの国の為政者に身を任せている姿が、今、連日報道されてる相撲界に良く似てません?国技なんて銘打って税の免除を頂いてる公益財団法人日本相撲協会も、すっかりモンゴル軍団に牛耳られる情けない姿をさらけだしています。そりゃそうだわ、モンゴルの人達のお陰で相撲界は成り立っているんですから...親方もモンゴル横綱には強いことは言えませんがな。この国の容姿が、この季節の紅葉の美しさと同様に凛としてもらいたいのだが、他国の傲慢なチカラで様変わりしている気がしてなりません...よしゃ、おいらがひとつ乗り込んで土俵で大暴れしたいところだが、なにせ20代の頃の屈強な肉体ではありませんことよ。気力は衰えてはいないんですがね...威勢のいい若もんおらんのかいな?

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美しい国

2017/11/24
【第1027回】

今日は女性の方には不可解な話...男性トイレに行っていつも緊張することがあります。さてオシッコをしようとするときに目の前に現れるのが、矢を放つときに前方に見える標的。真っ白な便器にその標的が刻み込まれているんですよ...これは緊張しまっせ!この極小の標的に向かって発射しようにも、その日の勢い、角度によって情けなく的を外してしまい、なんだか今日は外れの日に当たった気分になっちゃうんでございます。そりゃ分かりますよ、取りこぼしがないように清潔に使って貰いたいという気持ちは十分に...でも、あの標的は、折角の戦士の休息タイムにいささかプレッシャーを与えてる気がしてなりません。
それにしても、最近のトイレの進化は目覚ましいものがありますな。しばし、トイレの便座に座ってあれこれと考え事もできる安らぎの場所でもあります。ウオシュレットが出始めたときなんぞ、便座に靴で上がり込み用を足した人も居たそうな。
スペインなんぞは公衆トイレなんてありません。もようしたらレストラン、バーに駆け込むしかしかありません。中には、ペーパーなんぞのサービスなし、そんなときはどうするんでしょうな?こちらの方がより深い思索の場所なのかもしれませんな...便利は想像力を鈍化させるのかもね。

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11月の黄昏

2017/11/22
【第1026回】

寒い都会の夜空をバックに一人のシンガー...なんだか、ふと立ち止まりしばし耳を傾ける群衆。疲れた心身に何故かひとときの安らぎを与えてくれるのも確かだ。新宿はストリートミュジシャンが多い場所だ。それは、ある種の開放地区である証でもある。昔から様々なカルチャーが生まれ消えていく流動的で雑多な街。50年地回りしているおいらも、その変わらぬエネルギーに魅了され今日もふらふらと散策し続けている。先日、中村屋のカレーを久しぶりに食べたのだが、少々味が落ちてますな...それになんでや、自前のビルを建て替えたのにも拘わらず本家本元は地下2階に潜り、1階はブランド店、元にあった素敵なレストランの場所はすべて家賃稼ぎのお店になっちゃったというお粗末。中村屋の誇りも伝統も投げ捨て、そろばんはじいてる今時の経営者にがっかりもんでございます。その隣にあったTSUTAYAも、そろそろ新装開店するのだが、何だか漫画喫茶みたいな店に衣替えしそうな気配だ。CD、DVDを低価で提供するお店に価値があったのになんて嘆いてしまいます。まあ、これも時代の流れでしょうね...あのゴールデン街もすっかり世界のゴールデン街になって、6割は外人がうろちょろしてますな。店によっては日本文化の見本、お通し代で一悶着する場面もちらほら聞こえてきます。まあ、そのゴチャゴチャ感が新宿の真骨頂なんでしょうがね...おいらは死ぬまでこのおもろい新宿の地回りせんとあかんのですかね。誰からも頼まれてへんでえ~

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新宿の歌姫

2017/11/20
【第1025回】

野球シーズンが終わって寂しい日々をおくっていたのだが、アジアプロ野球チャンピオンシップ2017なんてものが登場し、週末久しぶりに楽しませて貰った。おいらも少々疲れ気味の身体であったので、TVの前で日本チームの活躍を満喫、その中でもライオンズの選手の目を見張るようなプレーに思わず嬉しくなっちゃいました。沖縄出身の山川選手の笑顔、地味ながら今大会のMVPに輝いた外崎選手、韋駄天の走りを魅せた源田選手...こりゃ、来年はライオンズの久しぶりの優勝を見れる!なんて気の早いおいらは有頂天になってしまいました。いやいや、来年も大変ですぞ!安定感と力のある投手が定まらないと優勝は無理でしょうな...なんて心配も頭を過ぎりました。
日馬富士事件、相変わらずおもしろおかしく連日のように報道合戦。テレビなんてもんは節操がないんだろうね...これだと思ったらピンポイント攻撃、生活に直結する政治、経済なんてものは隅に追いやられる始末。こうやってマスコミは巧妙に情報操作をしてるんだろう。それにしても、悲しいかな相撲界はモンゴル力士あっての繁栄。昨日、稀勢の里がモンゴル力士逸ノ城に完膚無き敗戦を見るにつけこりゃあかんですわ...裸のぶつかり合いの格闘技、これは死ぬ気でやらんとてっぺんは取れんですバイ。このふぬけたこの国から、そんなガッツある若者が出てくるなんて到底考えられない...こんな徒弟制度の古い慣習の所なんかに集まるわけがない。得てして今の若者は、いかにして効率よく楽に報酬を得ることしか考えておりませんがな。たまにピュアな若者に出会うと感動しちゃいます...そう考えれば、ひたむきに苦しい生活を覚悟しながら演劇に準じてる演劇人はまだまだましの方かな。一度きりの人生、身を粉にして投げ出してこそ、何かを掴むんでござんすよ。

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コントラスト

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