トムプロジェクト

2017/11/17
【第1024回】

益田ミリさんの「今日の人生」読了...1969年大阪生まれのイラストレーター。日常の何気ない市井の人達の有り様を見つめる視線が何とも言えない味わいがある。絵も奇を衒うことなく、自分のボブヘアースタイルの顔の他はシンプルに描き(シンプルと言うより人なんぞは棒と丸、手抜きと言えば手抜きだが、この徹底的に削ぎ落としたところに、読者の想像力を喚起させてくれるのではなかろうか)ミリさんがキュンと感じ、思ったことを素直に表現してる。この細やかな情感は女性ならではと思わせる...おいらだって日々人間観察を趣味としてるんだが、おいらの観察は、ついついその人のドラマを創作してしまう。ミリさんは観察している人の毛穴からこぼれ落ちる微妙な匂い、感覚を優しくすくい取っている気がしますな...この繊細、微妙でおかしな情動を描かせたら女性にかなわないとおいらいつも思っとります。なんと言っても子供を育て産み落とすエネルギーを持ち合わせている生き物に男なんぞは歯が立ちません...所詮、男は頭脳でしか何物かを生み出せない悲しい存在。女は子宮で思考するのではなく感じているんでございます。これは致命的、かつ決定的な何物にも換えられない事実。この当たり前のことを判らず生きてるととんでもないことになっちゃいますぞ...と、言うことでおいらはいつも女性に尊敬の念を抱きながら生きとりますよ。女性を見下したり、利用しようなんて思ってる輩は必ずや落ちていきますぞ...

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枯葉よ♪

2017/11/15
【第1023回】

昨晩は渋谷シアターコクーンにて「24番地の桜の園」を観劇...高橋克典、小林聡美、風間杜夫出演によるチェーホフの最後の戯曲「桜の園」を遊び心満載の演出家、串田和美が賑やかしく創りあげた舞台。この舞台の主役は休憩を挟んで幕があがると同時に、後方で乾し草を黙々と食べている一匹の本物の山羊ではなかったのではないだろうか。時には演じる役者の姿をしげしげと観察し、あたかももう一人の演出家のようでもあり、まさしく哲学者の佇まいでありました。役者の演技よりも山羊は山羊でしかない山羊のほうがどれほどリアルであったことか...なんだか演技の本質をつかれたような後半80分の舞台でした。幕間に「途中で入るときはかがんで入って来いよ!」と怒鳴ったお客の表情もリアルでしたな...品の良い観客で埋め尽くされた会場で、突如繰り広げられ茶番劇も何故かリアルでありましたな。公衆の面前でなかなか吐けない台詞です。二幕の幕が開くとどつかれた客は別の席に移動してましたな。そのどついた怖そうな男が、何故かオペラグラスで必死の形相で舞台に見入っていたのには笑っちゃいましたがな...終演後、杜夫ちゃんと一杯。今、日テレで杜夫ちゃんが出演している『先に生まれただけの僕』の監督、プロデューサーも一緒で盛り上がり危うく終電に間に合わないかと急いで帰宅...今宵もお疲れさんでした。

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こんな季節になりました...

2017/11/13
【第1022回】

「東おんなに京おんな」の東京公演、昨日無事に池袋東京芸術劇場シアターウエストで終えることができました...短い公演でしたが岡本麗さん、鶴田真由さんの二人のバトルとっても見ごたえがありました。1時間40分喋りっぱなしの舞台なので、おいらもハラハラドキドキ、台詞忘れて頭が真っ白状態に陥った経験はおいらにもあるので尚更のことでございます。共演者が他に居れば助け船もできようが、何せ二人きり。しばしお見合いシーンになりお客もぽっかりと穴が開いた空間が劇場にでき上ってしまう恐怖に付きまとわれながら客席にいるおいらは心臓がどっきんどっきん...身体にとっても悪いですが、舞台という戦場で台詞を速射砲のようにたたきつけながら奮闘している女優さんのことを思えば...それにしても二人の女優さん、とってもチャーミングでございます。なにも女優さんだけではありませんことよ、女性はチャーミングじゃないと、この世の中うまく回っていかないような気がします。特に最近の殺伐とした世の中を救えるのは笑顔であり、人の心を惹きつける心のありよう...そんな魅力を満載した二人の登場人物を台本に仕上げた作家・ひょうたさんは本当に不思議で素朴な人です。初日には奈良県吉野郡から来ていただきました。結婚経験もなく演劇体験もなく、ただただひょうたさんの想像、空想から生み出されたドラマ、下手に経験してる人よりもはるかに女性の心理、心情を細やかに描いております。初日終演後に一杯やりながら話をしても偉ぶることなく、いつものように飄々としておりました。

劇場を出ると、公園で何人かの大道芸人が道行く人達を楽しませていました。子供連れの親子、若いカップルなどなど笑顔で満ち溢れた景色がある限り未来はまだまだ大丈夫かな...

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芸あるところに笑顔あり

2017/11/10
【第1021回】

折りたたみヘアーの武器商人がアジアで商売しまっくっています...なんと言っても一番利益がいいのが武器、消耗品であり単価が高い。このおっさんツイッターで危機を煽り、ちゃっかり自国の戦闘機やら武器を斡旋しアメリカの軍需産業に多大な利益をもたらしています。アベちゃんなんかは、娘のイバンカ氏基金に57億円を拠出...この国に未だ復興できず希望の見えない日々を送っている人達が居るのに、アメリカにただただ米つきバッタ。韓国なんぞは、デモまで繰り出してるのに歓迎一色。いつまでたっても、米国に対しては盲従を続けるこの国の姿に、殆どの人が諦めに近い心境であることに違いない...言わなきゃならないことは言わんといかんでしょうが!おいらの一番の怒りは、世界で唯一の被爆国でありながら、アメリカのご機嫌を伺いながら平和の大切さ必要性を説かないことでございます。人殺しの武器をセールスするオッさんに平和の大切さも進言できない宰相なんて要らんですバイ!がしかし、選んでいるのもこの国のお方。米国と中国で世界を支配し、紛争地帯の火種を消さず殺戮を繰り返しながら財を成していく未来の姿が見え隠れする米中会談でございました...なんとも希望が見えない弱者切り捨ての世界の未来に、おいら暗澹たる思いですが、生きてるんだから、いや生かされてるんだから、命ある限り微かな明かりを求めて今日もプラス思考で生きますばい!

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秋の日はつるべ落とし

2017/11/08
【第1020回】

表参道も随分様変わりしました...嘗ては日本の典型的な長屋を思わせる、日本初期の近代的な鉄筋コンクリート造の耐火アパートとして、関東大震災後に復興住宅として建設された同潤会アパートが参道の一角を占め、お洒落な街並みと程よくマッチした風景を醸し出していました。ところが、11年前に安藤忠雄設計による表参道ヒルズが完成すると一気に世界のブランド館が建ち並び、アジアを含めたお上りさんが散策する街に変貌いたしました。でも、あのケヤキ並木は、時代の流れをものともせず道行く人達を和ませてくれます。おいらのスペイン時代の友人は、この通りを根城にして指輪、ネックレスなんぞをタイから仕入れて一財産を築きました。今はのんびり南の島で優雅に好きな絵を画いて暮らしてます。昨年、八重洲の画廊で個展を開いたので久しぶりに会ったんだが、少しもぶれることなくスペイン人を貫いておりました。この参道は夜になると大人の街にチェンジします...それを見越して異国の楽士がロマンチックな音色を奏でてくれてます。おいらもしばし耳を傾け、前に置かれたカンパ箱に気持ちをチャリン。さあ帰ろうと、地下鉄表参道の駅に向かおうとしたときに、なんと財布が落ちてるではないかいな。かなり膨らんでいる中身、側に交番があったので即届け、立ち去ろうとすると若いお巡りさん「すみません、書類にサインお願いします」おいら一瞬いろんなことが頭を巡りました。一番イヤだなと思ったのは、お金だけ抜いて届けたんじゃないか?なんてこと思いました。これは、良くあるケースですな、おいらも経験があります。見事に現金だけ抜かれカードだけ戻ってきました...落とし主からの連絡も要りまっせん!ということでなんとか交番から逃れることが出来ました。それにしても親切心と疑心が背中合わせになってるなんて、なんともおかしな話しですな。

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今宵もロマンチックな夜を...

2017/11/06
【第1019回】

秋も本格的になりましたね...井の頭公園も大分色づいてきました。土曜、日曜日には、いろんな人達が手作りの作品を展示販売しています。この日は76歳のおじさんがガラスビンをリサイクルして、花瓶やら物置やらの作品に設えていました。54歳の時に印刷業界から足を洗い、気ままに生きている姿が清々しく思えました。後何年?そう思ったときにすっぱりと過去の生き方にけじめをつけ、あとは野となれ山となれ!それがほんまによかですばいとおいらはいつも思ってるんだが、人生先が見えてくるとますます不安が募りアクションを起こせないのが当たり前...まあ、幸せなんぞ人それぞれ価値観は違うし他人が口出しするもんじゃないのだが、ここはひとつ男気をだして社会の枠組みをはみ出してはいかがかな?なんて背中を押しちゃいたくなりますな...なんて無責任なことをのたまってるおいらです。
土曜日には、雑司ヶ谷の鬼子母神に紅テントが聳え立つ唐組の芝居に行って参りました。最近、若いお客が増えてますな。ハイテク遊びに疲れた若者が、アナログの最たる芝居に新鮮さを感じたんでしょう。神社の中に荒々しくテントを打ち立て、ゴザの上に座って、手作りのゴツゴツ感満載のセットの舞台で、唐十郎が紡ぎ出した壮大なロマンとイメージで構成された台詞をエネルギッシュに語る役者の姿に思わず身震いしてしまうんでしょうね。役者陣も世代交代でしょうか?これから伝説の紅テントを背負って立つ若手が奮闘しておりました。テントを出て空を見上げると満月が色鮮やかに紅テントを照らしていました...

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井の頭公園

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紅テント

2017/11/02
【第1018回】

昨日は昼夜、大変忙しい一日でございました...午後2時よりGINNZA SIXで長年の友人である高橋美智子が経営する、2005年ギネスブック認定の豊富なシェリーの品揃えを誇るシェリー専門店銀座しぇりークラブが5年かけて制作した「Sherry 樽の中の劇場」の出版記念パーティに出席しました。入り口で樽から汲みだしたシェリーをいただきながら、シェリーにぴったりの食べ物を堪能。おいらも、世界のいろんなお酒を飲み比べしましたが、最後に残るのはシェリーと日本酒かな。シェリー酒が舌の上をころころと転がりながら喉元を過ぎていく感触は堪らんですばい...この日、女医さんがシェリー酒が身体にとってもいいという研究結果も大変興味深かったです。でも、飲みすぎはいけませんことよ。
夜は横浜で「明日がある、かな」の最後のステージに行ってきました。この日も9人の出演者、最後の力を振り絞って自分の役を活きていましたね。おいら、もうこれだけで感動しちゃいます。誰が何と言おうが、一つの世界を創り上げるために身を粉にして立ち向かう精神と肉体を見せつけてくれれば、必ずや次に次に繋がります。みなとみらいの観覧車を眺めながら9人の役者との酒は美味しかったです。

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昼 銀座

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夜 みなとみらい

2017/10/30
【第1017回】

おいらが3年ばかり滞在した第二の故郷スペインでは大変なことになっとります。スペインで一番お金持ちのカタルーニャ州が独立を宣言。スペイン政府は猛反対で激しく対立、昨日なんかは独立反対派が大規模な集会を開き大混乱に陥ってます。おいらが長く住んでたアンダルシアは、実際働き者はあまり居ません。豊かな自然のあるものを食し、楽しい会話と恋に明け暮れ日々を祝祭のように過ごしています。生きていくことに一番大切なことを満喫し、家族を大切にしながら心豊かに生きている姿に、おいらは深く感動しました。そんなアンダルシアが、当然ながら大きな利益を生み出す下地があるわけがございません。そんな州に、カタルーニャの人達が汗水垂らしたお金を垂れ流されちゃたまりません!と怒り出したのでございます。おいらハポネスは両方の言い分よく分かりますが、何事も表があって裏があるのが自然界の法則です。富あるものが貧するところを助け合っていくのが国だと思うんですがね...それでなくとも世界は分断と差別が蔓延しつつあります。このままで進行していけば自ずから世界は滅亡の道を辿るでしょう...バルセロナに代表されるガウディの建築物はスペイン人の遊び心が満載、アンダルシアにはフラメンコに象徴される情熱と燦々と降り注ぐ太陽があります。どちらも、まさしくスペインです。おいらはなんとかうまく融合しながら、これまで同様スペインの魅力を世界に発信し続けて欲しいと願っとります!

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アンダルシア サロブレーニャ

2017/10/27
【第1016回】

絵本作家の五味太郎さんの「勉強しなければだいじょうぶ」読んでます。今の日本の教育システム、学校のあり方に大いに疑問を持つおいらには大いに共感するところが多々あります。学校で行われている勉強が人を選別するため、国を統制するための国家に都合の良い役人作りのため、企業の良き歯車の一員となるべき企業戦士の育成のため...人間としてキラキラと生まれてきた心身をボロボロにしてしまう今の学校に痛烈なパンチを浴びせています。そこのところに順応してしまう親にも苦言を呈しています。

子どもを生物的にゆっくり見るという習慣がついてない社会なんだよ。社会の中でしかその子を見ていないのね、恐ろしいことに。それはたぶん、社会の中でしか、あるいは学校という中でしか個人個人を見ない教育を受けてきた人なんだと思う。家に帰ってきても「勉強したの」「宿題できたの」って学校基準でしか物を喋れない、そういう暮らしをしてきた親の歴史なんだと思う。そんなことはさておいて、もっと大事なことがあるだろう、ということについてもうわからない人たち。
学校の査定がすべてだと思い込み、社会の目に怯えている人々、自分は怯えているとははっきりとは自覚してないけれど、完全に社会に怯え切ってしまっている個人というのが生まれたんだと思う。それ、学校教育システムの大きな罪です。

おいらも振り返れば、学校の勉強で役に立っていることは数の数え方、漢字くらいかな。これだけあれば十分でございます。あとは天真爛漫に目にする物、感じる物と己の感性の交信を楽しみながら活きていくことが一番大切だなと思って生きてきました。何度も言いますが一度きりの人生ですぞ...心して生きておくんなさいな。

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色付き始めました...

2017/10/25
【第1015回】

「明日がある、かな」昨日、初日を迎えることが出来ました...総勢9名、トム・プロジェクとしては久しぶりの出演者多数の芝居になりました。これくらいの数からが群像劇になるのかな?なにせ、23年前には究極のひとり芝居からスタートしたんですから...理由は、魅力のない役者さんを数あわせのために出演させ、お客さんに迷惑をかけたくない。だって、折角盛り上がったところに芝居を壊しちゃう役者さんが出てきたらどん引きですもんね...となると、旬の作・演出家の書き下ろした作品を、魅力溢れる個性的な役者さんで存分に満喫して頂きたいということで、しばらくはひとり芝居のトムさんということで演劇界にデビューしました。でも、これも限りがあります。時を経て、個性のある舞台役者も少なくなってきました...その後は複数の出演者の芝居をたくさん創ってきましたが、ひとり芝居の経験を生かして、役者は十分に吟味してキャスティングしているつもりです。

さて、昨日の初日を見終わって感じたことは「劇団トム・プロジェクト」が誕生した瞬間に立ち会った思いがしました。23歳から56歳の俳優さんが、芝居のテーマに沿って一丸となって演じる姿は劇団という集団が存在をかけて観客に対峙している様に見えました。芝居で一番大切なのは座組です。俳優さんは仕事柄個性の強い人が多いのですが、その個性を失うことなく自分の役割をきっちりとこなす状態を生み出すのがなかなか難しいが、今回は息もピッタリ二時間の芝居を見事に演じきっていました。

今日、雨なので新宿の地下街を歩いていると今回の芝居のテーマ曲が流れてくるではありませんか...よく見ると、地下街の通路を掃除する自動掃除機から聞こえてくる曲でした。「明日がある♪明日がある♪」ほんまに、明日がある世の中になりゃいいんだが...

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久し振りだネ

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