2024/09/10
【第1938回】
「かへり花」9月8日(日)に無事東京公演を終えることが出来ました。トム・プロジェクトでは30年間様々な芝居を創ってきたのですが、今回の芝居はトムが芝居創りを始めたころ、従来の演劇を変えて見せようという意欲を彷彿とさせる舞台でした。起承転結がはっきりした芝居を見慣れた人にとっては戸惑う方も多かったと思います。でも、演劇だけにしかできないことが随所に散りばめられ観客の想像力をおおいに喚起させる作品であったと思います。日常生活の中では、あまりにも凡庸で刺激に満ちたものが少ないが故、常識を超えたシーンに遭遇すると身体が混乱に陥ってしまう...そんな時は常識を疑い、己を無にすると同時に童心にかえって今あるものに素直に反応する...そうすることによって新しい感性を獲得することが出来ると思います。
あらゆる生き物のなかで神様が唯一人間に与えたものが想像力です。この素晴らしい特権を使わずして死んでいくなんて、なんと勿体ないことでしょう。芝居だけではありません、己の想像力の羽を伸ばし羽ばたくチャンスはどこにでも転がっていますよ。ウロウロ、キョロキョロしさえすればキャッチすること間違い無し。
この作品、12日の相模原演劇鑑賞会での公演がラストです。まだまだ見どころがある芝居だと思っています。
鏡に映った夕焼雲