2024/08/21
【第1930回】
昨日、「かへり花」の初めての通し稽古を観てきました。日向十三さんの不思議な世界を老若男女5人の俳優が、自由自在に舞台の設定になっているちびっ子広場で遊んでおりました。改めて、この芝居アナーキー満載の芝居だと思いました。現世あらゆるところで制度にがんじがらめにあっている中、心身を思い切り開放してしまえばどれだけ楽しく生きていけるか?そのせめぎ合いの後にくる世界は如何様なものなのか?時空間が自在に流れる中、それぞれの人生を抱えた観客の皆様が、思い切り想像の羽根を拡げ自分なりの着地点を見出してくれればいいなと思いました。それにしても、大和田獏さん、藤吉久美子さん、有森也実さん、まるで童心にかえったみたいに広場を所狭しと立ち振る舞っていました。長野優華さんの初々しさ、中嶋ベンちゃんの人生の哀歓を感じる芝居もなかなかのものです。
考えてみれば、今までに見たことがない事象に遭遇したときの驚き、感動はその後の人生を変え得るチカラを持っています。そんな可能性を持った「かえり花」是非是非、ご覧になってくださいな...
ところでアナキストと言えば、何だか危険な思想の持ち主だと思っている人もいるかと思いますが、実は社会全体が対等な関係の中で、相手になんの見返りを求めないで、日々協力していく。そして、この協力こそが、私たちの社会の富の源泉であり、人びとを幸福にする基盤となっている、これが本来のアナーキズム、アナーキストだと思いますよ。
夏の雲