2024/08/16
【第1928回】
オリンピックも閉幕し、お盆休みも終わり、さてという今日、関東に台風直撃。昨日は終戦記念日、オリンピックがあったせいか何となく戦争に関する情報が少なかった気がします。9月に自民党総裁選に不出馬を表明した総理が「これからは一兵卒として...」こんな時に使う言葉かな?と最後の最後までセンスを疑ってしまいます。
昨日の新聞にこんな記事が掲載されていました。名優で知られた森繁久彌さんが日本の敗色濃厚になった頃、旧満州の新京放送局に勤務した時の話です。関東軍の命令で特攻隊員の遺言を残す仕事を任されました。ポロポロと涙を落としながら、60人ほどの若者たちの勇壮な言葉を録音しました。そのなかにひとり、おそらく永久に忘れられない隊員がマイクに向かって、重い口を開いて「お父さん。いまぼくはなぜだか、お父さんと一緒にドジョウをとりに行ったときの思い出でだけで頭がいっぱいなんです。何年生だったかな。おぼえてますか。弟と3人でした。鉢山の裏の川でした。20年も生きてきて、いま最後に、こんな、ドジョウのことしか頭に浮かんでこないなんて...」ポツンと言葉がとぎれてから、若者は言った。「なんだかものすごく怖いんです」。ハット胸を刺されるような響きがその声にこもっていたそうだ。「僕は卑怯かもしれません...ね...お父さんだけに僕の気持ちを解かってもらいたいん...だ」
あの戦争で本心から「天皇陛下万歳!」なんて気持ちで死んでいった若者はいないと思います。死の間際まで家族、恋人のことを案じながら散っていったに違いありません。いまだに政治家が「お国のために...」なんて発する言葉に違和感を感じます。女も男も子供も、敵も味方も、なぜ死ななければならなかったのか。それは避けることが出来なかったのか。誰のせいか。何のためか。戦場に散っていった多くの人達は、今尚、戦争が継続されている世界の現状に嘆き悲しんでるどころか、死の恐怖に魂をおののかせている気がしてならない。
台風にもめげずミーンミンミン