2024/09/17
【第1940回】
一昨日、北千住BUoYで理性的な変人達たちによる「寿歌二曲」を観てきました。このグループは演劇科がない東京藝術大学出身にも関わらず、なぜか演劇の道を志した30代女性を中心とした団体です。女性目線を大切にしながらこれまで3本の作品を発表してきました。前回の「海戦2023」が大変面白く、今回も期待しながら会場に向かいました。会場といっても昔お風呂屋さんだった廃墟を思わせる空間です。この空間に入った途端に芝居は始まってます。昔、石橋蓮司さん、緑魔子さんが立ち上げた劇団第七病棟がそうでした。
閉鎖した映画館、廃校など、主に廃墟になった建物を芝居小屋に仕立て上げ唐十郎、山崎哲の作品を上演していました。嘗て行き来したであろう多種多様な人の息遣いが建物内から匂ってくる感覚と、フィクションである物語がクロスしてとても刺激的な舞台でした。
今回も、朽ち果てた湯船、天井、壁、洗い場のなかを縦横無尽に動き回る役者の汗と埃は、核戦争前後を背景とした物語にはぴったりでした。まずは、この場所選びのセンスが理性的変人のネーミングにドンピシャ。座長を務める女優滝沢花野のエネルギッシュな芝居ぶりに拍手。トム所属の女優さんですが、この集団での花野ちゃんはなぜか解放され伸びやかに演じてます。場所を見つけたなと思いました。
それにしても、北千住の「飲み屋横丁」は相変わらずディープですな。昼間から飲んべいな連中がうろうろしています。せんべろ(千円でべろべろに酔える店)の看板があちこちに並んでの客引き合戦。こんなところで飲んでいると後期高齢者は家に辿り着けなくなるという危機感から駅に直行しました。
せんべろ天国