トムプロジェクト

2024/10/02
【第1945回】

昨日は、新宿・紀伊國屋サザンシアターで劇団民藝公演「ミツバチとさくら」を観劇。トムでもお馴染みの、ふたくちつよしさんの作で築50年以上の古い家で繰り広げられる夫を亡くした母親と4人の娘の間で繰り広げられるドラマです。今年5月、ふたくちさんのお母様が104歳で亡くなり、今回のドラマにも亡き母へのオマージュらしきシーンがありました。おいらも、まだご本人が元気だったころ劇場でお会いしましたが、それはそれは明るく元気でその場を一瞬にして解放区にさせてくれるパワフルな方でした。

そして、昨日のお客様のパワーにもビックリ!まさしく創立73年の歴史を感じました。おいらも上京してから、宇野重吉、滝沢修、米倉斉加年、北林谷栄、佐々木すみ江、奈良岡朋子さんが演じる芝居を随分と観させていただきました。宇野さんのカラーが、地味ながらもしっかりと日本の風土を大切にしながら庶民の哀歓を醸し出す劇団というイメージを持っていました。その良さをいつまでも共に感じていたいというシニアのお客様が、まるで遠足にでも来ている感じで芝居を楽しんでおられました。おいらの後ろのお客さん、開演前からお互いの近況を語り合い、開演してからもまるで子供のように小声であれやこれやとお喋りしながらの観劇でございました。勿論、芝居を観に来ているのですが、劇場が普段なかなか会えない知人、友人の社交場になっているような光景でした。

芝居というフィクション、そして実人生、これらがクロスする場でもあるシアター。大切で守っていかなきゃいけない場だと思います。

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初秋のひまわり

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