トムプロジェクト

2025/02/25
【第2002回】

先週の週末は、中野スタジオあくとれにて劇団ぼっかめろん第34回公演「星の王子さまHollywoodに行く」を観劇。主宰者倉澤周平、出演者の一人小林達雄はおいらが若い頃テント芝居やっていた演劇群走狗の戦友だ。それにしても二人とも老体鞭打ってよくぞやってるなと感心した次第です。達ちゃんの芝居の案内状のなかにこんな言葉が記されていました。

「ここまで演ってきたことは確かなのですが、その来し方になんの手応えもないし、なんの実感もないのです。いたずらに時間が流れ過ぎてきただけで、実はなにもしてこなかったのではないかという気さえするのです。幕が下りると同時にすべてが消え、後には何も残らない芝居の性質のせいでしょうか。ここ数年、<消え時>を失って、これが最後をくりかえしオオカミ老人と化しています」

いかにも達ちゃんらしいなと思います。でも80過ぎてもなお舞台に立ち続けきりりとした味のある芝居をしてるんですから立派です。筋が通った一人の男の生きざまを見せられる思いです。人生何が幸せか、大切か、こんなこと人と比べるものではありません。舞台で己の身の処し方を晒す行為なんて誰しもができることではありません。命果てるまで舞台に立てるなんて、ある意味うらやましいことですよ。

昨日までの寒さもおさまり、今日は春を予感させる天気です。あちこちに咲き始めた梅の花と鳥もなんだかウキウキしています。

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メジロとウメ

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