2025/07/28
【第2064回】
先週末、高円寺にあるタブラオ・エスペランサに行ってきました。この日の出し物はグラシアス小林と本間静香のフラメンコ二人の会。この会場は1971年創業以来54年の歴史を誇るお店です。前のオーナーが亡くなられ一時閉店になったのですが多くのフラメンコファンの要望により復活しました。客席54という狭い空間だからこその間近に繰り広げられるステージは迫力満点です。踊り手の表情、サパテアード(足で床を打ち鳴らす)が目の前で直視出来るんですからなんとも贅沢です。スペインアンダルシアに住んでいた時は、小さなバル(酒場)でまさしく肌を接する状態で何度も観た経験があるので、やはり大劇場での公演はフラメンコの魅力が半減してしまいます。フラメンコにとって重要なカンテ(歌)ギターの奥深さも十分に伝わってくるのもタブラオの良さです。
この日のグラシアス小林さんの踊り、御年77歳になったばかりだったのですが年を感じさせない動きと、重ねた人生の哀歓がたっぷりと表現されてました。本人も言ってたんですが表現者にとって年齢は関係ないとのこと...ますますの踊りを期待しています。
この日初めて観た本間静香さんの踊りは久しぶりに堪能させていただきました。何が良かったかというと、ドゥエンデ(霊、妖精)が降りてきたかのような舞...流浪の民ジプシーが生み出したフラメンコ、彼らの身体に蓄積された喜怒哀楽を日本人が表現するのは至難の業...この日の彼女の一挙手一投足なかなかのものでした。あの日あの時のアンダルシアの日々が一瞬蘇ったステージでした。
フラメンコライブ
MANO A MANO(手から手へ)