2025/10/27
【第2101回】
折角の週末、生憎2日間とも雨にたたられましたね。土曜日は夏の川企画「樫の木坂四姉妹」に出かけましたが、なんと劇場を間違えてしまいました。なんとか間一髪で間に合いましたが...正しくは新宿シアターモリエールだったのですが、新宿シアターサンモールに行ってしまいました。まさかシアターモリエールだとは思いませんでした。この劇場はコロナ初期の頃、公演した劇団が不祥事を起こし、それ以来芝居を上演している噂を聞かなかったので...同じ新宿だったので助かりました。東京にはもう一つ間違いやすいホールがあります。亀有リリオホールと亀戸カメリアホール、ここは間違うとかなりの距離があるので完全にOUT。
さて芝居はというと、懐かしい新劇の香りが漂う舞台でした。長崎での原爆被害にあった家族の話ですが、俳優の皆さん素直で清潔感溢れる表現で好感を持てました。
今回の戯曲を書いた作家さんがパンフレットにこんなことを書かれていました。
本作は59歳の時に書いた(舞台化は2010年)。今だから言うが、実はこれで芝居の世界から足を洗おうと思っていた。色んな事に倦んでいたし、還暦でもあるのでいい区切りだと思ったのである。そんな軟弱な決心を翻させたのが本作への各地での望外の評価と、翌2011年の東北での大地震である。俺が未だ劇界の隅っこをウロウロついていられるのは、だから本作と震災のお陰だといっていいのかも知れない。
そうなんです、いつの世も芝居の世界で生きている人たちのほとんどが、一寸先は闇のなかで呻吟しながら表現に立ち向かっています。そのぎりぎりのなかから絞り出される珠玉の意思表示だからこそ人の奥深くに届くのだと思っています。勿論、すべてがそうだとはいえません...だからこそ今日も、あーでもないこーでもないと模索しながら稽古場で右往左往しているのでございます。

そろそろかな

